エンジンオイルの色が黒いのは劣化サイン?交換タイミングと確認方法を解説

エンジンオイルの色が黒いのは劣化サイン?交換タイミングと確認方法を解説

目次

エンジンオイルの色が黒いと、劣化しているのではないかと心配になりますよね。この記事では、エンジンオイルの色が黒くなる理由、交換のタイミング、色の確認方法などを詳しく解説します。

また、ご自身でのエンジンオイル確認方法や交換方法、愛車のエンジンを最適な状態で維持するための知識も紹介していきます!

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エンジンオイルの色が黒くなるのは劣化サイン?理由から解説

エンジンオイルの色が黒くなると「劣化しているのでは?」と心配になる方もいるでしょう。

実は、エンジンオイルの色が黒くなること自体は、必ずしも劣化のサインではありません

この章では、エンジンオイルの色が黒くなる理由や、オイルの役割、正常な色などについて詳しく解説します。

エンジンオイルの役割

エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑、冷却、密封、防錆、清浄という5つの重要な役割を担っています。

  • 潤滑:金属同士の摩擦を減らし、摩耗や焼き付きを防ぎます。
  • 冷却:エンジン内部の熱を吸収し、冷却します。
  • 密封:ピストンとシリンダーの隙間を密閉し、圧縮漏れを防ぎます。
  • 防錆:エンジン内部の金属部品を錆から守ります。
  • 清浄:エンジン内部で発生するスラッジや汚れを吸着し、分散させます。

エンジンオイルの正常な色は?

新しいエンジンオイルは、一般的に琥珀色や黄金色をしています。この色は、精製されたベースオイルの色です。

しかし、エンジンに注入され、エンジン内部を循環し始めると、徐々に色が変化していきます。

色が黒くなるのは清浄作用によるもの

エンジンオイルが黒くなる主な原因は、清浄作用です。

エンジン内部では、燃料の燃焼によってスラッジやカーボンなどの汚れが発生します。エンジンオイルはこれらの汚れを吸着し、オイル中に分散させることで、エンジン内部を清潔に保ちます。この汚れがオイルの色を黒く変化させるのです。

つまり、ある程度の黒ずみは、エンジンオイルがしっかりと機能している証拠と言えるでしょう。

エンジンオイルが黒くなりやすい条件下とは?

エンジンオイルが黒くなる速度は、以下の条件によって変化します。

条件 黒くなる速度 理由
ストップ&ゴーの多い市街地走行 速い 燃焼効率が悪くなり、スラッジが発生しやすいため。
短距離走行の繰り返し 速い エンジンが十分に温まらず、水分が蒸発しにくく、スラッジの発生を促進するため。
高回転域での走行が多い 速い エンジン内部の温度が上がりやすく、酸化が促進されるため。
長期間交換していない 速い 清浄作用が低下し、スラッジが蓄積しやすいため。
高速道路など長距離走行が多い 遅い 燃焼効率が良く、スラッジの発生が少ないため。


このように、走行条件によってエンジンオイルの汚れ具合は変化します。市街地走行や短距離走行が多い場合は、オイル交換の頻度を高く設定するなどの対策が必要です。

また、オイルの色だけでなく、粘度や臭いなども確認することで、より正確にオイルの状態を判断することができます。

エンジンオイル交換が必要な劣化タイミングとは?

エンジンオイルの色が黒い=劣化しているわけではないということがわかりました。では、エンジンオイルの色以外で交換が必要かどうかを判断するにはどうしたらいいのでしょうか。

この章では、エンジンオイルの交換タイミングや、劣化したオイルを放置した場合のリスク、フラッシングの効果などについて詳しく解説します。

エンジンオイルの色以外の判断基準

先ほどご説明した通り、エンジン内部の汚れを吸着することでエンジンオイルの色は黒くなりますが、これはオイルが正常に機能している証拠でもあります。

つまり、黒くなったからといって必ずしも交換が必要というわけではありません。逆にオイルが劣化していても色がそれほど黒くなっていない場合もあり、色だけで判断するのは危険です。

オイルの粘度や臭い、走行距離、前回の交換時期などを総合的に考慮する必要があります。

エンジンオイルの交換タイミングとは?

エンジンオイルの交換タイミングは、車種やオイルの種類、使用状況によって異なります。一般的には、以下の基準を目安に交換することをおすすめします。

交換基準 期間/距離
一般的な鉱物油 3,000km / 3ヶ月
部分合成油 5,000km / 6ヶ月
化学合成油 (全合成油) 10,000km / 1年


上記はあくまで目安であり、シビアコンディション(短距離走行が多い、渋滞が多い、山道や悪路の走行が多いなど)の場合は、上記の期間・距離よりも早めの交換が推奨されます。

また、ターボ車や高回転型エンジンを搭載した車は、より高性能なオイルを使用し、こまめな交換が必要です。取扱説明書をよく確認し、適切な交換時期を守りましょう。

エンジンフラッシングもおすすめ!

エンジンオイル交換と合わせて、エンジンフラッシングを行うのも効果的です。

エンジンフラッシングとは、専用の洗浄剤を使用してエンジン内部の汚れを落とす作業のことです。オイル交換だけでは落としきれないスラッジや汚れを効果的に除去し、エンジンの性能を回復させ、寿命を延ばす効果が期待できます。

フラッシング剤には、オイル交換前に注入するタイプと、オイルに混ぜて使用するタイプがあります。使用方法をよく確認して使用しましょう。

劣化したエンジンオイルを放置するとどうなる?

劣化したエンジンオイルを放置すると、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。以下はその一例です。

  • エンジンオイルの潤滑性能低下によるエンジン内部の摩耗促進
  • 冷却性能低下によるエンジンオーバーヒート
  • スラッジの蓄積によるオイル詰まり
  • 燃費の悪化
  • エンジン出力の低下
  • 最悪の場合、エンジンの故障

これらのトラブルを避けるためにも、定期的なエンジンオイルの交換と点検は非常に重要です。少しでも異常を感じたら、すぐに専門家に見てもらうようにしましょう。

愛車を長く快適に乗り続けるためにも、エンジンオイルの状態には常に気を配りましょう。

エンジンオイルの色の確認方法は?手順と注意点を紹介

エンジンオイルの状態を確認することは、車のメンテナンスにおいて非常に重要です。色の確認は手軽に行える方法の一つですが、いくつかの手順と注意点を守る必要があります。

ここでは、エンジンオイルの色の確認方法を詳しく解説します。

確認時に準備するもの

エンジンオイルの色を確認するために必要なものは以下の通りです。

  • 使い捨てのキッチンペーパーもしくは白い布
  • 保護手袋 (ニトリルゴム製がおすすめ)
  • ライト (LEDライトがおすすめ)

エンジンオイルの色の確認方法を手順で解説

エンジンオイルの色の確認は、以下の手順で行います。

安全のため、必ずエンジンが冷えている状態で行ってください。

1.ボンネットを開ける

車の取扱説明書に従って、ボンネットを安全に開けます

2.オイルレベルゲージを探す

オイルレベルゲージは、エンジンルーム内にあり、たいてい黄色やオレンジ色のリングが付いています。車の取扱説明書で場所を確認しましょう。

3.オイルレベルゲージを引き抜く

オイルレベルゲージをゆっくりと引き抜き、付着したオイルをキッチンペーパーで拭き取ります。

4.オイルレベルゲージを再度差し込む

オイルレベルゲージを奥まで差し込み、再び引き抜きます。

5.オイルの色と量を確認する

オイルレベルゲージに付着したオイルの色と量を確認します。オイル量は、ゲージに刻まれた上限と下限の間に収まっている必要があります。

色の確認は、キッチンペーパーにオイルを数滴垂らして行うと、より正確に判断できます。明るい場所で、自然光もしくはLEDライトを使って確認しましょう。

オイルの色 状態 対処法
琥珀色、透明感のある黄金色 正常 そのまま使用を継続
黒色、濃い茶色 清浄作用による汚れ、もしくは劣化の可能性 交換時期を確認。汚れが酷い場合は交換を検討。
乳白色、灰色 冷却水が混入している可能性 すぐに整備工場へ
メタリックな光沢のある灰色 金属摩耗粉の混入 すぐに整備工場へ

エンジンオイルの色を確認するときの注意点

エンジンオイルの色を確認する際には、以下の点に注意しましょう。

●エンジンが冷えている状態で行う

エンジンが熱い状態だと、やけどの危険があります。

●水平な場所で確認する

傾斜のある場所では、正確なオイル量が測れません。

●オイルレベルゲージをきちんと拭き取ってから確認する

古いオイルが付着していると、正確な色を確認できません。

●オイルの匂いも確認する

焦げ臭い匂いがする場合は、オイルが劣化している可能性があります。

●色の変化だけでなく、粘度や汚れ具合も確認する

サラサラしすぎている、ザラザラした感触がある場合は、劣化している可能性があります。

●不明な点があれば、整備工場に相談する

自己判断で対処せず、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

エンジンオイルの色は、車の状態を知るための重要な指標です。定期的に確認し、適切なメンテナンスを行うことで、車の寿命を延ばすことに繋がります。

上記の確認方法と注意点を参考に、ご自身の愛車のエンジンオイルの状態をチェックしてみてください。

エンジンオイルを自分で交換する方法も紹介!

エンジンオイルの交換は、カーメンテナンスの基本と言える作業です。

工賃節約のため、また愛車の状態をより深く理解するために、自分で交換に挑戦してみませんか?

さっそく、セルフでの交換方法を見ていきましょう。

交換時に準備するもの

エンジンオイル交換に必要なものは以下の通りです。事前にしっかりと準備しておくと安心です。

アイテム 詳細 補足
新しいエンジンオイル 車種に適合した粘度のオイルを選択 取扱説明書で推奨オイルを確認
オイルフィルター 車種専用のフィルターを使用 純正品または適合品
ドレンパッキン/ワッシャー オイル交換ごとに必ず交換 銅製やアルミ製のもの
オイル処理ボックス 廃油を適切に処理 環境保護のため必須
トルクレンチ ドレンボルトの締め付けに必須 適切なトルクで締め付け
メガネレンチ/ソケットレンチ ドレンボルト、フィルター取外し用 サイズに合ったもの
オイルジョッキ 新しいオイルを注入する際に使用 メモリ付きのもの
廃油受け 廃油を受ける容器 大きめのバケツ等
ゴム手袋/作業用手袋 手を汚さないために 耐油性のあるもの
ウエス/キッチンペーパー オイル汚れを拭き取る
ジャッキ&ウマ 車体を安全に持ち上げる 作業スペース確保のため
輪止め 車両の転がり防止 安全確保のため必須

エンジンオイルの交換方法を手順で解説

1.車を平坦な場所に駐車し、輪止めを装着。ジャッキアップし、ウマをかけて安全を確保します。

2.エンジンを暖機運転し、オイルを温めます。(5分程度)

3.オイルフィラーキャップを外します。オイルが抜けやすくなります。

4.廃油受けをドレンボルトの下に置き、メガネレンチまたはソケットレンチでドレンボルトを緩めて外します。オイルが勢いよく出てきますので注意してください。

5.オイルが抜け切るまで待ちます。(10~15分程度)

6.新しいドレンパッキン/ワッシャーを取り付け、ドレンボルトを規定トルクで締め付けます。

7.オイルフィルターレンチを用いて古いオイルフィルターを外し、新しいオイルフィルターに少量の新しいオイルを塗布して取り付けます。手でしっかりと締め付けます。

8.オイルジョッキを使って新しいエンジンオイルを規定量注入します。

9.オイルフィラーキャップを閉めます。

10.エンジンを始動し、オイル漏れがないか、オイル警告灯が消えるかを確認します。

11.数分後、エンジンを停止し、オイルレベルゲージでオイル量を確認し、必要に応じてオイルを補充します。

12.廃油はオイル処理ボックスに入れ、適切に処理します。

エンジンオイルを交換するときの注意点

セルフでの交換時は、以下の項目に注意が必要です。

●作業前に必ず車の取扱説明書を確認し、推奨されているオイルの粘度や交換量、ドレンボルトの締め付けトルクなどを確認しましょう。

●熱いオイルで火傷しないように、耐熱性のある手袋を着用しましょう

●廃油は環境に有害です。必ずオイル処理ボックスなどを使用して適切に処理しましょう。ガソリンスタンドや自治体で回収している場合があります。

●ジャッキアップする際は、必ず平坦で安全な場所で行い、ウマをかけて安全を確保しましょう。

●ドレンボルトの締め付けトルクは、トルクレンチを使用して規定値で締め付けましょう。締め付けすぎるとネジ山を破損する恐れがあります。

●作業後は、オイル漏れがないか、オイルレベルゲージでオイル量が適切かを確認しましょう。

●自信がない場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。

エンジンオイルの色が黒い=劣化とは限らない

この記事では、エンジンオイルの色について詳しく解説しました。エンジンオイルの色が黒くなるのは、必ずしも劣化のサインではありません。エンジンオイルには清浄作用があり、エンジン内部の汚れを吸着することで黒く変色します。

つまり、黒くなったエンジンオイルはエンジン内部がきれいになっている証拠とも言えるのです。

エンジンオイルの交換時期の目安は、走行距離や使用期間で判断するのが一般的です。自身でも確認・交換は可能ですが、少しでも不安な場合は、プロに依頼することをおすすめします。

この記事の執筆者 : 福塚鉄也(株式会社えびすツール 代表取締役)

【自動車・物流分野に精通した通販のプロフェッショナル】
経理の専門家として上場企業を中心に長年キャリアを積んだ後、前職で自動車・物流関連用品の通信販売事業の責任者を務める。卓越したデータ分析力と探究心を活かし、事業を成功に導きました。
2024年4月、こうした自動車・物流分野での豊富な経験とノウハウを基に、株式会社えびすツールの代表取締役に就任。同社の強みである「高品質で低価格」の商品ラインナップを強化し、緻密な戦略と分析力で企業の更なる成長を牽引します。
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