エンジンオイルの混合は大丈夫?この記事では、古いオイルと新しいオイル、粘度やベースオイル、グレードが異なるオイルなど、様々なケースにおけるエンジンオイル混合の影響を解説します。
混合によるリスクや、問題ないケース、さらにはエンジンオイル全交換が推奨される理由、オイルを足す際の注意点まで、詳しく説明。この記事を読めば、エンジンオイルの適切な管理方法を理解し、愛車のエンジンを長く健康に保つための知識が身につきます。
エンジンオイルの混合はNG?ケースごとにどうなるのか解説
エンジンオイルの混合は、多くの場合推奨されません。異なるオイルを混ぜることで、オイルの性能が低下し、エンジンに悪影響を与える可能性があるからです。
しかし、緊急時など、やむを得ず混合しなければならないケースも存在します。ここでは、様々なケースにおけるエンジンオイルの混合について、詳しく解説していきます。
古いエンジンオイルと新しいエンジンオイルの混合
古いエンジンオイルと新しいエンジンオイルを混合することは、あまり推奨されません。古いオイルには、スラッジや金属粉などの不純物が含まれており、新しいオイルの性能を低下させる可能性があります。
また、古いオイルの劣化によって、添加剤の効果が薄れている場合もあり、混合によって新しいオイルの酸化劣化を促進する可能性も懸念されます。理想的には、オイル交換時は古いオイルを完全に抜き取り、新しいオイルを入れる「全交換」を行うべきです。
粘度の違うエンジンオイルの混合
粘度の異なるエンジンオイルを混合すると、最適な粘度から外れてしまい、エンジンの保護性能が低下する可能性があります。
例えば、低粘度のオイルと高粘度のオイルを混ぜると、粘度が中間的になるだけでなく、オイルのせん断安定性が損なわれ、油膜切れを起こしやすくなる可能性があります。これは、エンジン内部の摩擦を増大させ、摩耗や損傷につながる恐れがあります。
緊急時を除き、粘度の異なるオイルの混合は避けるべきです。
ベースオイルが異なるエンジンオイルの混合
エンジンオイルのベースオイルには、鉱物油、部分合成油、全合成油など、いくつかの種類があります。これらのベースオイルが異なるオイルを混合すると、オイルの性能が不安定になる可能性があります。
特に、鉱物油と合成油の混合は、オイルの劣化を早める可能性があるため、推奨されません。それぞれのベースオイルは異なる特性を持っているため、混合によって化学反応を起こし、スラッジの発生やオイルの粘度変化などの問題を引き起こす可能性があります。
グレードが異なるエンジンオイルの混合
API(米国石油協会)やILSAC(国際潤滑油標準化承認委員会)といった機関が定めるエンジンオイルのグレードは、エンジンの性能や省燃費性能などを示す重要な指標です。異なるグレードのオイルを混合すると、本来の性能が発揮されず、エンジンに悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、高性能なエンジン向けに開発されたオイルと、一般的なエンジン向けのオイルを混合すると、高性能オイルの持つ性能が損なわれ、エンジンの保護性能が低下する可能性があります。
オイルを選ぶ際は、車の取扱説明書に記載されている推奨グレードを守ることが重要です。
エンジンオイルの混合をしても問題ないケースとは
一般的にはエンジンオイルの混合は推奨されませんが、どうしても必要なケースもあります。例えば、長距離ドライブ中にオイル量が減少し、同じ粘度・グレードのオイルが手に入らない場合などです。
このような緊急時には、一時的に少量のオイルを混合することは許容されます。ただし、できるだけ早く正規のオイルに交換することが重要です。下記の表に、混合の可否についてまとめました。
状況 | 混合の可否 | 備考 |
---|---|---|
同じ粘度、同じグレード、同じメーカーのオイル | 比較的安全 | 理想的には混合を避けるべきだが、緊急時であれば少量の混合は許容される。 |
同じ粘度、同じグレード、異なるメーカーのオイル | 緊急時のみ許容 | 添加剤の違いにより、相性が悪い場合もあるため、できるだけ早く正規のオイルに交換する。 |
粘度、グレード、ベースオイルのいずれかが異なるオイル | 非推奨 | オイルの性能低下やエンジントラブルのリスクが高いため、避けるべき。 |
上記はあくまでも緊急時の対応であり、基本的にはエンジンオイルの混合は避けるべきです。
可能であれば、常に適切なオイルを単独で使用し、エンジンの性能と寿命を維持するように心がけましょう。
エンジンオイルは全交換推奨!
エンジンオイル交換には、「継ぎ足し」と「全交換」の2つの方法がありますが、基本的には全交換が推奨されています。
継ぎ足しはあくまで応急処置と捉え、できるだけ早く全交換を行うようにしましょう。
エンジンオイルを全交換すべき理由
エンジンオイルを全交換すべき理由は以下の通りです。
理由 | 詳細 |
---|---|
スラッジの除去 | エンジンオイルは使用していくうちに酸化や燃焼生成物などによって劣化し、スラッジと呼ばれるヘドロ状の物質が発生します。継ぎ足しではこのスラッジを完全に除去することができません。全交換によってエンジン内部をクリーンな状態に保ち、エンジンの性能低下や故障を防ぎます。 |
添加剤の効果の最大化 | エンジンオイルには、摩擦を低減したり、酸化を防いだりする様々な添加剤が配合されています。これらの添加剤は時間とともに効果が薄れていきます。全交換することで、新しいオイルの添加剤の効果を最大限に発揮させることができます。 |
オイルの粘度を適切に保つ | エンジンオイルの粘度は、エンジンの性能に大きく影響します。劣化によって粘度が変化したオイルを使い続けると、燃費の悪化やエンジントラブルにつながる可能性があります。全交換することで、適切な粘度のオイルを維持し、エンジンのパフォーマンスを最適化できます。 |
エンジンの寿命を延ばす | エンジンオイルはエンジンの潤滑や冷却、洗浄など重要な役割を担っています。常にきれいなオイルを使用することで、エンジンへの負担を軽減し、寿命を延ばすことに繋がります。 |
新車時の性能を維持する | 新車のエンジンは、最適な性能を発揮するために高品質なエンジンオイルが使用されています。定期的な全交換を行うことで、新車時の性能を長く維持することができます。 |
車種や走行状況によって最適な交換時期は異なりますが、一般的には5,000kmまたは6ヶ月ごとの交換が推奨されています。詳しくは車の取扱説明書を確認するか、ディーラーや整備工場に相談しましょう。
ただし、シビアコンディション(短距離走行が多い、渋滞が多い、山道が多いなど)の場合は、メーカー推奨の交換時期よりも早めに交換することが推奨されます。
エンジンオイルを足す場合の注意点
エンジンオイルを足す際には、いくつかの注意点があります。
適切なオイル量を維持することはエンジンの正常な動作に不可欠ですが、過剰に補充したり、不適切な方法で補充したりすると、逆にエンジンに悪影響を及ぼす可能性があります。以下の点に注意して、適切なオイル補充を行いましょう。
エンジンオイルの入れすぎ
エンジンオイルを入れすぎると、クランクシャフトがオイルに浸かりすぎて抵抗が増加し、燃費が悪化したり、エンジン出力が低下したりする可能性があります。また、オイルが燃焼室に入り込み、排気ガスが白煙を上げたり、スパークプラグが汚れてエンジン不調につながることもあります。
最悪の場合、オイルシールやガスケットを傷め、オイル漏れを引き起こす可能性も考えられます。オイルレベルゲージでオイル量を確認し、上限を超えないように注意しましょう。
エンジンオイルが足りないのもトラブルの原因に
エンジンオイルが不足すると、エンジン内部の潤滑が不十分になり、金属同士の摩擦が増加してエンジンが焼き付くリスクが高まります。また、冷却効果も低下し、エンジンのオーバーヒートにつながる可能性もあります。
オイル警告灯が点灯した場合や、オイルレベルゲージでオイル量が下限を下回っている場合は、速やかにオイルを補充しましょう。
オイルレベルゲージの見方
正確なオイル量を測るには、オイルレベルゲージの正しい見方が重要です。エンジンを停止し、数分待ってオイルがオイルパンに戻ってから、オイルレベルゲージを引き抜き、ウエスなどで拭き取ります。
その後、もう一度オイルレベルゲージを差し込み、再度引き抜いてオイル量を確認します。オイル量は、レベルゲージの上限と下限の間に収まっている必要があります。
オイルの状態 | 対応 |
---|---|
上限を超えている | オイルを抜く |
上限と下限の間にある | 適切な状態 |
下限を下回っている | オイルを補充する |
補充時の適切な量
一度に大量のオイルを補充するのではなく、少量ずつ補充し、こまめにオイルレベルゲージでオイル量を確認しながら行うことが大切です。
オイルレベルゲージの下限から上限までのおおよその量は、車種によって異なりますが、一般的には0.5Lから1L程度です。取扱説明書で確認することを推奨します。
こぼした場合は必ず拭き取る
エンジンオイルを補充する際に、オイルをこぼしてしまうことがあります。こぼれたオイルを放置すると、エンジンルームが汚れるだけでなく、オイルがゴム部品やプラスチック部品を劣化させる可能性があります。
また、火災の危険性も考えられます。オイルをこぼした場合は、速やかにウエスなどで拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。
これらの点に注意することで、エンジンオイルの補充を安全かつ適切に行い、エンジンの寿命を延ばし、良好な状態を維持することができます。エンジンオイルは車の心臓部であるエンジンを守る重要な役割を果たしているため、日頃から適切な管理を心掛けましょう。何か不明な点があれば、専門家やディーラーに相談することをおすすめします。
エンジンオイルの混合には要注意!全交換が安全
エンジンオイルの混合は、基本的には推奨されません。特に、化学合成油と鉱物油の混合は避けるべきです。ただし、同じ粘度、同じベースオイル、同じグレードのオイルであれば、少量の混合は大きな問題にならない場合もあります。しかし、最適なエンジン性能を維持するためには、全交換が推奨されます。
全交換によって、スラッジや金属粉などの不純物を完全に除去し、新しいオイルの性能を最大限に発揮させることができます。オイル交換は定期的に行い、エンジントラブルを未然に防ぎましょう。