くすんだクロームメッキのパーツを輝かせたいけれど、どれを使えばいいか迷っていませんか。この記事では、クロームメッキ磨きに使えるブルーマジックについて、パッケージの表記に沿って解説します。
先にお伝えしておくと、「メッキ」とひとくくりにはできません。クロームメッキは磨けますが、ニッケル・亜鉛・金・銀のメッキは磨けません。まずはそこから説明します。
ブルーマジックとは

ブルーマジックは、アメリカの BLUE MAGIC(Technical Chemical Company)が製造する金属磨きです。1959年から続くブランドで、日本国内でも輸入品として流通しています。
形状はクリーム(半練り)タイプで、内容量は549g。液体ではありません。パッケージ正面には「FOR CHROME, ALUMINUM AND MAG WHEELS」とあり、クロームがこの製品の主な用途とされています。
本国メーカーのSDSに記載されている成分は、研磨剤である酸化アルミニウムが25〜35%、シリコーンが1〜5%です。研磨剤は入っています。また、アンモニアと石油留分を含むため、においが強く、換気が必要です。
ブルーマジックがクロームメッキ磨きに向いている理由
クロームメッキが向いている理由は、メーカーがそう明記しているからです。パッケージの「SAFE FOR ALL METALS」には、クローム、アルミニウム、マグネシウム、真鍮、銅、ステンレス、金・銀の素地、FRP(繊維強化プラスチック)が挙げられています。
| できること | 説明 |
|---|---|
| 汚れ落とし | 表面に固着した汚れや油膜、水あかの跡を、研磨によって落とします。 |
| 軽いサビ・点サビの除去 | 表面に浮いた程度のサビであれば削り取れます。深く進行したサビには向きません。 |
| くすみの除去 | 酸化によって出たくすみや黒ずみを落とし、金属の輝きを戻します。 |
| シリコン被膜 | 磨いたあとに薄い被膜が残ります。ただし防錆処理ではなく、洗車や雨で少しずつ落ちる簡易的なものです。 |
逆に言えば、削って落とす製品です。塗装や被膜の上から汚れだけを取る、という使い方はできません。
どの程度のサビまで落とせるのか、落ちないサビはどうするのかはブルーマジックでサビは取れる?効果の実力と正しい使い方で詳しく解説しています。
ブルーマジックのメッキ磨き方法も解説!

ここからは実際の手順です。塗って時間を置き、水で洗い流す製品ではありません。布で磨いて、拭き上げる。これが基本です。
用意するもの
| アイテム | 説明 |
|---|---|
| ブルーマジック メタルポリッシュクリーム | 549gのクリームタイプです。 |
| 柔らかい布(複数枚) | 磨き用と仕上げ用を分けます。磨いていると黒く汚れるので、多めに用意してください。 |
| 保護手袋 | パッケージに着用の指示があります。 |
| 保護メガネ | 当店からのお願いとして、着用をおすすめします。 |
| 中性洗剤と水 | 下洗い用です。砂が残っていると研磨材の代わりになり、傷の原因になります。 |
| 綿棒(必要に応じて) | 細かい部分の磨きに使います。 |
使用手順
-
下洗い: 磨く面を中性洗剤で洗い、汚れやホコリを落としてよく乾かします。
-
表面の確認: 磨いてよい面かを確認します。判断がつかない場合は、目立たない場所で試し磨きをしてください。
-
よくかき混ぜる: 成分が分離するため、容器の底からしっかりかき混ぜてから使います。ここを省くと研磨剤が均一に行き渡りません。
-
少量を布に取る: 付けすぎると滑って、研磨剤が布の上で動くだけになります。「少なすぎるかな」と感じる量から始めてください。
-
黒い膜が出るまで磨く: 表面に黒い膜が現れるまで磨きます。これは削れた酸化物で、正常な反応です。力任せにこすらず、狭い範囲ずつ進めます。細かい部分は綿棒が便利です。
-
磨き上げる: きれいな布、またはバフで磨き上げて仕上げます。落ちきらない場合は、時間を置くのではなく回数を重ねてください。
ブルーマジック使用時の注意点

研磨剤を含む製品なので、使ってよい面かどうかの判断がいちばん重要です。
「メッキ」で一括りにしない
メッキの種類によって、使えるか使えないかが分かれます。
| メッキの種類 | 使用可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 硬質クロームメッキ | 可 | クローム層が数μm〜数十μm、厚いもので100μmを超えることもあります。 |
| 装飾クロームメッキ | 可(試し磨きから) | ニッケル層の上にごく薄いクローム層を重ねた構造で、クローム層の厚みは0.1〜0.5μm程度です。目立たない場所で試してから。 |
| ニッケル・亜鉛メッキ | ×(使用不可) | 層が薄く、削り抜けてしまいます。 |
| 金メッキ・銀メッキ | ×(使用不可) | 同上。パッケージのGOLD・SILVERは金・銀の素地のことで、メッキとは別物です。 |
| 種類の分からないメッキ | ×(磨かない) | 仕様が確認できない場合は作業を見送ってください。 |
トラックのメッキパーツが硬質クロームなのか装飾クロームなのかは、仕様を確認しない限り分かりません。判断がつかないものは磨かないのが原則です。
ひび割れや剥がれが生じているメッキ部分もNG
メッキ表面にひび割れや剥がれが生じている場合は、使用しないでください。研磨によって剥がれが広がり、症状が悪化します。すでにダメージを受けている部分は、磨いても元には戻りません。
メッキ以外で使用できない素材
次の面には使用できません。
- 塗装面・クリアコート面
- アルマイト(陽極酸化)処理面
- ヘアライン・ツヤ消し仕上げ(磨くと質感が変わり、元に戻りません)
- 硬度の低い金属
付けすぎ・こすりすぎにも注意
研磨剤入りの製品ですので、磨くたびにわずかとはいえ素材を削っています。ゴシゴシとこすりすぎると、傷や削りすぎの原因になります。柔らかい布に少量を取り、優しく磨く。これを守ってください。
換気をしっかり行う
アンモニアと石油留分を含むため、換気のよい場所で作業してください。においが強く、屋内での作業には向きません。当店のお客様レビューでも、においについての言及が6件(母数100件)ありました。
保護具の着用と応急処置
保護手袋を着用してください。特に真鍮を磨くときは、パッケージにも明記されています。当店からのお願いとして、保護メガネの着用もおすすめします。
目や皮膚に付いた場合は、水で15分洗い流してください。飲み込むと有害または致命的です。吐かせず、直ちに医師の診察を受けてください。子供の手の届かない場所に保管してください。
作業後のウエスの処分
ブルーマジックは油分を含みます。油分の染みたウエスを袋やゴミ箱にまとめて放置すると、酸化による熱がこもって発火につながるおそれがあります。東京消防庁は、油が染み込んだ布や紙は水に十分浸してから捨てるよう案内しています。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 使えるメッキ | クロームメッキのみ。装飾クロームは試し磨きから。 |
| 使えないメッキ | ニッケル・亜鉛・金・銀のメッキ、種類の分からないメッキ。 |
| ひび割れ・剥がれ | 使用不可。症状が悪化します。 |
| その他の使用不可 | 塗装面・クリアコート、アルマイト処理、ヘアライン/ツヤ消し、硬度の低い金属。 |
| 使用量 | 少量で。付けすぎ・こすりすぎに注意。 |
| 換気 | 必ず行う。アンモニアと石油留分を含みます。 |
| 保護具 | 保護手袋を着用。目・皮膚に付いたら水で15分洗い流す。 |
| 保管 | 子供の手の届かない場所へ。 |
| 使用後のウエス | 水に十分浸してから捨てる。 |
ブルーマジックでクロームメッキを磨いてみよう
ブルーマジックは、パッケージ正面にクローム用と明記された金属磨きです。クロームメッキのバンパーやパーツのくすみ、軽いサビには、しっかり効いてくれます。
ただし、研磨剤を含むため、磨いてよい面かどうかの判断が欠かせません。ニッケル・亜鉛・金・銀のメッキ、種類の分からないメッキ、ひび割れや剥がれのある面には使用しないでください。装飾クロームは、目立たない場所での試し磨きから始めてください。
使い方の全体像は、ブルーマジックの使い方で解説しています。


