オイルフィルターが取れない(外れない)時の対処法!タイプ別外し方と工具を解説

オイルフィルターが取れない(外れない)時の対処法!タイプ別外し方と工具を解説

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オイルフィルターが固くて回らない、手や工具が滑って外れないとお困りではありませんか?オイルフィルターが取れないのはよくあることですが、タイプ別の正しい外し方と適切な工具を知っていれば、安全かつ確実に解決できます。

この記事では、カートリッジ式・エレメント交換式といったタイプ別の外し方から、固着や滑りといった状況に応じた具体的な対処法、さらに作業を格段に楽にする専用工具まで詳しく解説します。

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オイルフィルターが取れないときの対処法

引用元:えびすツール

オイルフィルターが固着して取れない場合、その原因は締め付けすぎ、ガスケットの貼りつき、長期間の交換忘れによる固着などが考えられます。フィルターのタイプによって対処法が異なりますので、ご自身の車両のフィルタータイプを確認し、適切な方法を試しましょう。

カートリッジ式オイルフィルターの場合

カートリッジ式オイルフィルターは、一般的に金属製の缶のような形状をしており、エンジンブロックに直接ねじ込まれています。本来は手で締め付け、手で緩めることが推奨されていますが、熱膨張や締め付けすぎ、ガスケットの固着などにより、固く締まって取れなくなることがあります。

手で緩まない場合の対処法

まずは、ゴム手袋や滑り止め付きの軍手などを着用し、オイルフィルター全体をしっかりと掴んで反時計回りに回してみましょう。滑りやすい場合は、ウエスや厚手の布を巻き付けてから回すと、摩擦が増して力が伝わりやすくなります。

専用工具を使用する対処法

手で回らない場合は、専用のオイルフィルターレンチを使用します。カップ型、チェーンタイプ、3本爪、4本爪など様々な種類がありますが、フィルターの形状やスペースに合わせて選びましょう。

工具を使用する際は、フィルターに垂直に力を加え、フィルターやエンジン側を破損させないよう慎重に回すことが重要です。工具がフィルターにしっかりとかかっていることを確認し、ゆっくりと一定の力を加えて緩めてください。

固着がひどい場合の補助的な対処法

非常に固く固着している場合は、フィルターとエンジンブロックの接合部に浸透潤滑剤を少量塗布し、しばらく時間を置いてから再度緩めてみるのも一つの方法です。

また、ドライバーの柄など硬いものでオイルフィルターの側面を軽く叩くことで、振動を与えて固着を緩める効果が期待できる場合もあります。ただし、フィルターを変形させたり、破損させたりしないよう細心の注意を払ってください。

エレメント交換式オイルフィルターの場合

エレメント交換式オイルフィルターは、再利用可能なハウジング(ケース)の中にフィルターエレメントが収められているタイプです。主にカートリッジ式フィルターの代替として、最近の車両で採用が増えています。

ハウジングはプラスチック製や金属製があり、専用のソケットレンチやカップ型レンチを使ってキャップを緩めて開けます。

ハウジングキャップが緩まない場合の対処法

エレメント交換式フィルターのハウジングキャップが緩まない主な原因は、締め付けトルクの過剰やOリングの固着です。専用のソケットレンチやカップ型レンチをハウジングキャップに正確に装着し、ラチェットハンドルやスピンナーハンドルを使ってゆっくりと反時計回りに回します。

特にプラスチック製ハウジングの場合、無理な力を加えると破損するリスクがあるため注意が必要です。

Oリングの固着への対処

Oリングがハウジングやエンジン側に固着している場合は、潤滑剤を少量塗布し、時間を置いてから再度試すと効果的な場合があります。ハウジングキャップを回す際に、ガタつきがないように工具をしっかりと保持し、一気に力を加えるのではなく、じんわりと力を加えて固着を剥がすイメージで回しましょう。

締め付けトルクの重要性

エレメント交換式フィルターのハウジングキャップは、メーカー指定の締め付けトルクが非常に重要です。過剰な締め付けは、次回の交換時に固着する原因となるだけでなく、ハウジングやOリングの破損、オイル漏れの原因にもなります。

緩める際も、無理な力を加えず、適切な工具で慎重に作業を進めてください。


えびすツールのオイルフィルターは
こちら

手やチェーンレンチが滑って進まないときは?

オイルフィルターが固着しているだけでなく、使用している工具が滑ってしまい、うまく力が伝わらないという状況に陥ることがあります。これは、フィルター表面の油分、工具の選定ミス、または力の入れ方に問題がある場合に起こりがちです。

油分を除去する

フィルター表面や工具に油分が付着していると、摩擦が減少し滑りやすくなります。パーツクリーナーやウエスを使って、フィルターと工具の油分を完全に拭き取ってください。これにより、工具がフィルターをしっかりと掴みやすくなります。

滑り止めを強化する

ゴム手袋や滑り止め加工が施された軍手を使用することで、手や工具のグリップ力を向上させることができます。また、フィルターに薄いゴムシートや滑り止めマットなどを巻き付けてから工具をかけると、より確実に掴めるようになる場合があります。

工具の選定と使い方を見直す

チェーンレンチやバンドレンチが滑る場合は、チェーンやバンドがフィルターにしっかりと食い込んでいるか確認してください。チェーンやバンドが緩いと力が伝わりません。

また、カップ型や3本爪/4本爪のオイルフィルターレンチは、フィルターを全周で掴むため、滑りにくく強力なトルクをかけやすい特徴があります。現在使用している工具で滑る場合は、これらのより確実に固定できるタイプの工具への変更を検討するのも有効です。

フィルターが固くて回らないときは?

オイルフィルターが尋常ではないほど固く締まっており、一般的な方法ではびくともしない場合、さらなる対処法が必要となります。これは、過剰な締め付け、長期間の熱による固着、ガスケットのエンジンブロックへの貼りつきなどが原因です。

浸透潤滑剤の活用

フィルターとエンジンブロックの接合部(ネジ山付近)に、自動車用の浸透潤滑剤をたっぷりとスプレーしてください。

その後、数十分から数時間(製品の指示に従う)放置することで、潤滑剤が固着した隙間に浸透し、固着を緩める効果が期待できます。放置後、再度オイルフィルターレンチでゆっくりと回してみてください。

軽い衝撃を与える

ドライバーの柄やゴムハンマーなどを使って、オイルフィルターの側面を複数箇所、軽くコンコンと叩いてみてください。この振動が、固着した部分の微細な結合を破壊し、緩みやすくなることがあります。

ただし、フィルター缶をへこませたり、穴を開けたりしないよう、弱い力で慎重に行うことが重要です。

テコの原理を利用する

通常のレンチの柄が短く、十分なトルクがかからない場合は、レンチの柄にパイプなどを継ぎ足して長くすることで、テコの原理でより大きなトルクをかけることができます。

ただし、力をかけすぎるとフィルターやエンジン側のネジ山を破損させる可能性があるため、慎重に、徐々に力を加えてください。無理な力を加えることは避けるべきです。

最終手段(リスクを伴うため推奨不可)

上記のあらゆる方法を試してもフィルターが回らない場合の最終手段として、オイルフィルター缶にドライバーやポンチなどで穴を開け、その穴にドライバーなどを差し込んでテコにして回す方法があります。

しかし、この方法はオイルが漏れてエンジンルームを汚損するだけでなく、フィルターがさらに破損して取り外しが不可能になったり、エンジン側のネジ山を傷つけたりするリスクが非常に高いため、専門知識と経験がない限りは決して推奨されません。

この段階に至った場合は、無理をせず、自動車整備工場や専門業者に相談し、適切な工具と技術で取り外してもらうことを強くお勧めします。


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オイルフィルターが取れないときに便利な専用工具

引用元:モノタロウ

オイルフィルターが固着して手で回せない、または一般的な工具では滑ってしまう場合、専用のオイルフィルターレンチを使用することが解決への近道です。ここでは、様々な状況に対応できる代表的なオイルフィルターレンチの種類と、それぞれの特徴、選び方を解説します。

カップ型フィルターレンチ

カップ型フィルターレンチは、オイルフィルターの底部にある多角形の形状にぴったりと合わせて使用するタイプの専用工具です。ソケットレンチやラチェットハンドルと組み合わせて使用するため、狭いエンジンルーム内でも作業がしやすいのが特徴です。

 

特徴 メリット デメリット
オイルフィルターの多角形部分に嵌め込んで回す
  • フィルターを傷つけにくい
  • 狭い場所での作業に適している
  • 均等に力をかけられるため、固着したフィルターも回しやすい
  • フィルターのサイズや角数に合ったものを選ぶ必要がある
  • 複数車種に対応するには複数のサイズが必要になる場合がある

選ぶ際は、ご自身の車のオイルフィルターの外径(mm)と角数を確認し、それに適合するサイズのカップ型レンチを選ぶことが重要です。汎用性の高いマルチサイズ対応の製品もありますが、基本的には車種専用品や適合表を確認して選ぶと確実です。

特にカートリッジ式オイルフィルターのハウジングや、一部のエレメント交換式オイルフィルターのキャップを外す際に非常に有効です。

チェーンタイプのオイルフィルターレンチ

チェーンタイプのオイルフィルターレンチは、オイルフィルターにチェーンを巻き付け、ハンドルを回すことでチェーンを締め付け、フィルターを掴んで緩める工具です。その汎用性の高さから、様々なサイズのオイルフィルターに対応できるのが大きな特徴です。

 

特徴 メリット デメリット
フィルターにチェーンを巻き付けて締め付け、回す
  • 幅広いサイズのオイルフィルターに対応可能
  • 非常に強いトルクをかけることができる
  • 固着して回らないフィルターにも有効
  • フィルター本体が変形しやすい場合がある
  • 狭い場所ではチェーンを巻き付けにくいことがある
  • フィルターの表面を傷つける可能性がある

特に、フィルターがひどく固着している場合や、フィルターの表面が滑りやすい場合、または手元に適合するカップ型レンチがない場合に非常に役立ちます。ただし、強く締め付けすぎるとフィルター本体を潰してしまう可能性もあるため、慎重な作業が求められます。


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3本爪オイルフィルターレンチ

3本爪オイルフィルターレンチは、3本の爪がオイルフィルターの外周を掴んで回すタイプの工具です。ラチェットハンドルやメガネレンチと組み合わせて使用し、フィルターの回転方向と逆方向に力を加えることで、爪がフィルターに食い込み、強力に掴んで緩めます。

 

特徴 メリット デメリット
3本の爪がフィルターの外周を掴んで回す
  • 比較的多くのサイズのフィルターに対応可能
  • 強力にフィルターを掴むことができる
  • ラチェットハンドルと組み合わせることで作業性が良い
  • フィルターの表面を傷つけやすい
  • フィルターの材質や形状によっては滑りやすいことがある
  • 狭い場所では爪を広げにくい場合がある

汎用性が高く、多くのDIYユーザーに利用されています。フィルターの外径に合わせて爪が自動的に調整されるタイプが多く、異なるサイズのフィルターに対応できるため便利です。

ただし、フィルターを外す際に傷が付くのは避けられないため、交換するフィルターであれば問題ありませんが、再利用するパーツには適しません

4本爪オイルフィルターレンチ

4本爪オイルフィルターレンチは、3本爪と同様にフィルターの外周を掴んで回す工具ですが、爪が4本あることで、より安定した掴み心地と強力なトルク伝達が可能です。特に、特定の純正オイルフィルターなど、3本爪では掴みにくい形状のフィルターに対して有効な場合があります。

 

特徴 メリット デメリット
4本の爪がフィルターの外周を掴んで回す
  • 3本爪よりもさらに安定してフィルターを掴める
  • 特定の純正フィルターや、3本爪では対応しにくいフィルターに有効
  • 強力なトルクをかけやすい
  • フィルターの表面を傷つけやすい
  • 対応するフィルターのサイズや形状が限定される場合がある
  • 狭い場所での使用が難しいことがある

3本爪レンチで滑ってしまう場合や、より確実にフィルターを掴みたい場合に検討する価値があります。こちらもフィルターを傷つける可能性があるので、交換用フィルターの取り外しに限定して使用することが推奨されます。


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オイルフィルター交換はなぜ必須?重要性を解説

オイルフィルターは、エンジンオイルの汚れを取り除き、エンジンを保護する重要な部品です。オイルフィルターの交換を怠ると、エンジンの性能低下や故障につながるリスクがあります。ここでは、その重要性について詳しく解説します。

オイルフィルターの役割

エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑、冷却、洗浄、防錆といった多岐にわたる重要な役割を担っています。この中でも「洗浄」の役割において、オイルフィルターは非常に重要な機能を果たします。エンジンが稼働する過程で、金属の摩耗粉、燃焼によって発生するカーボンやスラッジ、外部からの微細なゴミなどがエンジンオイルに混入します。

オイルフィルターは、これらの不純物をろ過し、きれいな状態のエンジンオイルをエンジン内部に循環させることで、エンジンの各部品がスムーズに動作し、摩耗を防ぐ役割を担っています。フィルターが適切に機能することで、エンジンオイルの性能が維持され、エンジンの寿命を延ばすことにも貢献します。

オイルフィルターの交換頻度

オイルフィルターの交換頻度は、一般的にエンジンオイル交換の2回に1回、または走行距離10,000kmに1回が目安とされています。しかし、車の使用状況や車種によって適切な交換時期は異なります。

特に、以下のような「シビアコンディション」と呼ばれる過酷な条件下で車を使用している場合は、より頻繁な交換が推奨されます。シビアコンディションとは、短距離走行の繰り返し、渋滞路での低速走行、悪路走行、坂道走行、高負荷走行などを指します。これらの条件下ではエンジンオイルやフィルターへの負担が大きくなるため、交換サイクルを早めることがエンジンの健康を保つ上で重要です。

また、自動車メーカーが指定する交換サイクルも必ず確認し、それに従うことが最も確実です。メーカーの推奨は、その車種のエンジン特性や設計に基づいて最適化されているため、エンジンの長期的な性能維持に繋がります。

項目 目安
一般的な交換目安 エンジンオイル交換2回に1回、または走行距離10,000kmに1回
シビアコンディションの場合 エンジンオイル交換と同時、または走行距離5,000kmに1回
メーカー推奨 各自動車メーカーの取扱説明書や整備要領書に従う

交換を怠るとどうなる?

オイルフィルターの交換を怠り、劣化したフィルターを使い続けると、エンジンに深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

  • エンジンの摩耗・損傷
    フィルターが目詰まりすると、不純物がろ過されずにエンジン内部を循環することになります。これにより、エンジン内部の金属部品(ピストン、シリンダー、クランクシャフトなど)が摩耗しやすくなり、最悪の場合、エンジンの焼き付きや故障につながる恐れがあります。

  • エンジン性能の低下・燃費の悪化
    不純物が混じったオイルは、本来の潤滑性能を発揮できなくなり、エンジン内部の抵抗が増加します。これにより、エンジンの出力が低下したり、燃費が悪化したりすることがあります。また、オイルの粘度が変化し、エンジン本来の性能が引き出せなくなることもあります。

  • エンジンオイルの劣化促進
    フィルターが完全に目詰まりすると、オイルはフィルターを通らずに「バイパスバルブ」と呼ばれる経路を通って循環するようになります。この状態では、不純物が全くろ過されないため、エンジンオイル全体の劣化が急速に進み、オイルの寿命が著しく短くなります。

  • 異音の発生
    潤滑不良や部品の摩耗が進行すると、エンジンから「ガラガラ」「キュルキュル」といった異音が発生することがあります。これは、エンジン内部で異常が発生しているサインである可能性が高いです。

  • 高額な修理費用
    オイルフィルターの交換費用は比較的安価ですが、交換を怠った結果エンジンが故障した場合、修理費用は数十万円、場合によってはエンジン載せ替えで百万円を超えるような高額な出費となる可能性があります。

これらのリスクを避けるためにも、定期的なオイルフィルターの交換は、エンジンの寿命を延ばし、安全で快適なカーライフを送る上で不可欠なメンテナンスと言えます。


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オイルフィルターが取れないときの外し方を覚えておこう

オイルフィルターが取れない場合、固着や工具の不足が主な原因です。カートリッジ式、エレメント交換式それぞれのタイプに合った外し方を理解し、手やチェーンレンチが滑る際は、カップ型、チェーン型、3本爪、4本爪といった専用オイルフィルターレンチの活用が有効です。

オイルフィルターはエンジン保護に不可欠であり、定期的な交換はエンジントラブルを防ぐ上で非常に重要です。もしご自身での作業が困難な場合は、無理せずプロの整備士に依頼することも賢明な判断と言えるでしょう。

この記事の執筆者 : 福塚鉄也(株式会社えびすツール 代表取締役)

 自動車業界での長年の経験と通信販売事業の責任者として培った深い業界知識を活かし、自動車・物流関連用品に関する記事の企画・執筆を担当。
 業界のプロフェッショナルとして、ユーザーの課題を深く理解し、実践的で価値のある情報を分かりやすく発信することを得意としています。 市場ニーズの分析力と顧客視点のサービス経験を基に、読者にとって本当に役立つコンテンツの提供が目標。
 「高品質で低価格」という企業理念のもと、正確性と実用性を兼ね備えた記事で、自動車・物流業界で働く方々の業務効率化と課題解決をサポートしています。
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