「ハイトレール」の使い方が分からずお困りではありませんか? ハイトレールは車輌専門の特殊洗剤(酸性)で、トラックのステンレス部分やFRPに付いたさび・水あか・塩分の白ぼけ・油成分を落とすための洗剤です。この記事では、当店販売品の現物ラベルの記載に沿って、正しい使い方と注意点を解説します。
先に、いちばん大事な3点をお伝えします。①スプレーボトルは絶対に使用しない ②塗布したまま2分以上放置しない ③塗装箇所・アルミ・ガラス面には使用しない。この3つを外すと、変色や剥がれといった取り返しのつかない失敗につながります。
なお、ハイトレールはボディ全体を洗うためのカーシャンプーではありません。この点は記事の中で詳しく説明します。
使う前に押さえておきたい注意点は、ハイトレールを使う前に知るべき注意点にまとめています。
ハイトレールとは|車輌専門の酸性洗剤

ハイトレールは、エストック株式会社(北海道札幌市)が販売する「車輌専門特殊洗剤」です。品番はPR-11。性質は酸性で、商品ラベルの成分表示は、塩化水素、非イオン系特殊界面活性剤、キレート剤、金属封鎖ビルダー、その他助剤。原液を水で希釈して使います。
酸がさびや白ぼけ、水あかに、界面活性剤が油成分に働きます。中性のカーシャンプーでは落ちない、金属の表面に固着した汚れを対象にした洗剤だとお考えください。
対象になる車輌と汚れ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象車 | 保冷車、タンクローリー、ダンプカー、食品産業運搬車、水産加工運搬車、一般貨物自動車、その他の大型・中型トラック |
| 対洗浄物 | ステンレス(鏡面加工等をしていないもの)、FRP(繊維強化プラスチック)等の汚れた部分、車輌・トラックのバンパー等(アルミ箇所を除く)のさび、海水等による塩分の白ぼけ(冬季の凍結防止剤=塩カリによる白ぼけを含む)、水あか、油成分 |
| 性質 | 酸性 |
| 希釈 | 通常は3倍。汚れの度合いに応じて濃度を調整。ステンレス箇所は10倍希釈以上 |
カーシャンプーとは役割が違います
ハイトレールとカーシャンプーは、置き換えのきく関係ではありません。
| ハイトレール | カーシャンプー | |
|---|---|---|
| 性質 | 酸性 | 中性が主流 |
| 落とすもの | さび、塩分の白ぼけ、水あか、油成分 | 砂、泥、ほこりなどの一般的な汚れ |
| 使う場所 | ステンレス、FRPなど | ボディ全体 |
| 塗装面 | 使用不可(剥脱します) | 使用可 |
ボディの塗装面やアルミホイールを洗うのはカーシャンプーの仕事です。ハイトレールは、カーシャンプーでは落ちなかったステンレス部分のさびや白ぼけに対して、部分的に使う洗剤だと考えてください。
ハイトレール使用前の準備
作業を始める前に、次のものを用意してください。
| 準備するもの | 用途 |
|---|---|
| バケツ、計量カップ | 希釈する(通常3倍、ステンレス箇所は10倍以上) |
| ハケ、スポンジ、布のいずれか | 希釈液を塗布する |
| ゴム手袋またはナイロン手袋 | 手肌の保護(商品ラベルの指定) |
| 大量の水を素早くかけられるホース | 2分以内に洗い流す |
| 乾いた布 | 仕上げの水分の拭き取り |
スプレーボトルは絶対に使用しないでください。メーカーが明確に禁止しています。霧状になった酸性の洗剤が、周囲の塗装やアルミ部分、そして作業者自身にかかるためです。準備するものにスプレーボトルは含めないでください。
また、当店からのお願いとして、保護メガネの着用をおすすめします。メーカーの指定ではありませんが、酸性の洗剤が目に入ると危険なためです。
必ず目立たない所で試してから
商品ラベルには、使用方法の前提として「目立たない所で試してから使用する」と書かれています。車種や年式、これまでの手入れの履歴によって、表面の状態は一台ずつ違います。いきなり全体に塗らず、バンパーの裏側など見えにくい場所で、変色や色ムラが出ないかを確認してください。
ハイトレールの使い方手順
商品ラベルに記載されている手順は、次の5工程です。
- 洗浄箇所全体を水で濡らす。
- 通常使用は3倍に希釈する。汚れの度合いに応じて濃度を調整してください。
- ゴム手袋を使用し、ハケまたはスポンジ・布などに洗剤を十分にひたしてこする。
- 塗布したまま2分以上放置しない(変色します)。
- 2分以内に必ず大量の水道水をかけ、成分が残らないようによく洗い流す。そのうえで、乾いた布で水分を拭き取る。
ステンレス箇所は10倍希釈以上で使用してください。商品ラベルには「通常使用は3倍に希釈」とだけ書かれていますが、製造元の使用方法資料では、ステンレスについては10倍希釈以上とされています。資料によって記載が分かれている項目は、当店では安全側(薄いほう)に合わせてご案内しています。
「2分」は目安ではなく上限です
汚れが落ちないからといって、置く時間を延ばしてはいけません。放置時間を延ばすと落ちるのは汚れではなく、素材の表面のほうです。
2分で落ちきらないときは、時間ではなく濃度と回数で調整してください。一度しっかり洗い流し、水分を拭き取ってから、濃いめに希釈した液で改めて短時間の作業を行います。一度に広い面積を塗ると、塗り終わる前に最初の場所が2分を過ぎてしまうので、洗い流せる範囲ごとに区切って進めるのがコツです。
時間を延ばしてしまう以外にも、つまずきやすい点はいくつかあります。ハイトレールで失敗する人の共通点5つもあわせてご覧ください。
ステンレスが白くなってしまったら
ステンレスの表面が白くなった場合は、研磨剤を使えばきれいに仕上がる、と商品ラベルにも記載があります。当店で扱っている金属磨きでは、ピカール エクストラとブルーマジックの違いの記事が選び方の参考になります。
トラックのステンレス架装を、洗浄から磨き剤での仕上げまで2段階で手入れする流れは、ステンレスの磨き剤は仕上げで選ぶ(鏡面とヘアラインの違い)の後半で紹介しています。
ハイトレール使い方の注意点

ハイトレールは酸性の洗剤です。使ってよい場所と、使ってはいけない場所がはっきり分かれています。
使用してはいけない場所・素材
| 使用不可 | 理由 |
|---|---|
| 車輌のアルミ部分(アルミホイールを含む) | 商品ラベルに使用不可と明記されています。 |
| 自動車等のガラス面 | 商品ラベルに使用不可と明記されています。 |
| 塗装箇所 | 剥脱するため使用できません。 |
| コーティング(鏡面加工等)箇所 | 剥脱するため使用できません。 |
| 鏡面加工されたステンレス | 対洗浄物は「鏡面加工等をしていないステンレス」に限られます。 |
| 炎天下、または車体が熱くなっているとき | シミ・色ムラが出たり、拭き取りにくくなったりします。 |
| メッキ部分 | 商品ラベルが対洗浄物として挙げていないため、当店では使用しないことをおすすめしています。 |
アルミホイールの白ぼけや汚れを落としたい場合は、ハイトレールではなくカーシャンプーで洗ってから金属磨きで磨くのが正しい手順です。酸性の洗剤をアルミにかけないでください。
他の洗剤と絶対に混ぜない
他の洗剤類、特に塩素系の製品とは絶対に混ぜないでください。使いかけのバケツに別の洗剤を足す、前に使った洗剤が残った容器で希釈する、といった形でも混ざります。ハイトレール用のバケツと道具は、洗ってから使ってください。
混ざったときに何が起きるのかは、ハイトレールは混ぜると危険?で洗剤の種類ごとに解説しています。
万一のときの応急処置
目に入ったときは、直ちに水で何回も洗い流してください。作業中は必ずゴム手袋またはナイロン手袋を着用し、洗い終わったら水洗いを完璧に行ってください。成分が残ったままになると、後から変色の原因になります。
なお、商品ラベルには、医薬用外劇物および毒物に該当する原料は一切使用していないと明記されています。
誤った使い方による変色は補償の対象外です
商品ラベルには、誤った使用方法によって「白く」なった場合や「変色」した場合について、責任を負いかねると記載されています。手順のうち、特に2分の制限と使用してはいけない場所は、守れているかどうかを作業のたびに確認してください。
ジェルタイプ(ハイ・トレール PON)について

ハイトレールには、液体タイプのほかに「ハイ・トレール PON」というジェル状の製品があります。メーカーのラインナップは次のとおりです。
| 品番 | 容量・形状 | 当店の取扱い |
|---|---|---|
| PR-11 | 2L(液体) | 取扱いあり |
| PR-56 | 4L(液体) | 取扱いなし |
| PR-57 | 18L(液体) | 取扱いなし |
| PR-0 | ハイ・トレール PON(ジェル) | 取扱いなし |
当店で取り扱っているのは、液体タイプのPR-11(2L)のみです。ジェルタイプの使用方法・希釈・放置時間は液体タイプと同じとは限りませんので、ジェルタイプをお使いになる場合は、必ずその製品の表示に従ってください。この記事の手順は、液体タイプのPR-11についてのものです。
ハイトレールの使い方まとめ
ハイトレールは、トラックのステンレス部分やFRPに固着したさび・白ぼけ・水あか・油成分を落とすための、車輌専門の酸性洗剤です。ボディ全体を洗うカーシャンプーの代わりにはなりません。
手順は、水で濡らす → 希釈する(通常3倍、ステンレス箇所は10倍希釈以上)→ ハケや布で塗る → 2分以内に大量の水で洗い流して拭き取る。スプレーボトルは使わない、塗装箇所とアルミとガラスには使わない。
この使い分けさえ守れば、中性の洗剤では落ちなかった汚れに、しっかり効いてくれる洗剤です。
お近くの店舗で手に入るかどうかは、ハイトレールはどこに売ってる?で調査しています。


