オイルフィルターの適切な締め付けトルクを解説!締めすぎには注意?

オイルフィルターの適切な締め付けトルクを解説!締めすぎには注意?

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オイル交換時に気になるオイルフィルターの締め付けトルク。この記事では、オイルフィルターの正しい締め付けトルクについて、車種による違いや締め付け方、手回しでの注意点などを詳しく解説します。

この記事を読めば、オイルフィルターの適切な締め付けトルクが理解でき、安全かつ確実にオイル交換作業を行うことができるでしょう。

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オイルフィルターの締め付けトルクの適正ガイド!

オイルフィルターの交換は、エンジンオイル交換と同時に行う重要なメンテナンス作業です。オイルフィルターを適切に締め付けることで、オイル漏れやフィルターの破損を防ぎ、エンジンの正常な動作を維持できます

この章では、オイルフィルターの締め付けトルクについて詳しく解説します。

オイルフィルターの締め付けトルクとは

オイルフィルターの締め付けトルクとは、オイルフィルターをエンジンブロックに取り付ける際に必要な力の大きさを表す数値です。

単位はN・m(ニュートンメートル)またはkgf・m(キログラム重メートル)で表されます。適切なトルクで締め付けることで、オイル漏れやフィルターの破損を防ぐことができます。

締め付けトルク値は車種によって異なる

オイルフィルターの締め付けトルク値は、車種、エンジン型式、オイルフィルターの種類によって異なります。そのため、必ず車両の取扱説明書または整備解説書で正しいトルク値を確認することが重要です。

一般的には10~20N・m程度のトルク値が設定されていることが多いですが、軽自動車などではもっと低い値の場合もあります。トヨタのプリウスやアクア、ホンダのN-BOX、日産のノート、スズキのハスラーなど、車種によって値が異なるため、確認を怠らないようにしましょう。

もし取扱説明書が見つからない場合は、オイルフィルターメーカーのウェブサイトや、整備工場に問い合わせることで確認できます。 適合するオイルフィルターのパッケージにトルク値が記載されている場合もあります。

オイルフィルターの締め付け方

オイルフィルターを締め付ける際は、トルクレンチを使用することが推奨されます。トルクレンチは、設定したトルク値に達するとカチッと音が鳴る、またはそれ以上締め付けられない仕組みになっているため、正確なトルク管理が可能です。

トルクレンチには、プリセット型、ダイヤル式、デジタル式など様々な種類があります。ご自身の使いやすいタイプを選びましょう。

トルクレンチがない場合は、手回しで締め付ける方法もありますが、この場合は締め付け過ぎに注意が必要です。後述する「4/3回転」を目安にする方法がよく用いられます。

締め付け方法 手順 注意点
トルクレンチを使用 1. 車両の取扱説明書で正しいトルク値を確認する。
2. トルクレンチに設定トルク値を設定する。
3. オイルフィルターに新しいOリングを取り付ける。
4. オイルフィルターをエンジンブロックに取り付け、トルクレンチで締め付ける。
トルクレンチの精度を保つため、定期的な校正を行うことが望ましい。
手回し 1. オイルフィルターに新しいOリングを取り付ける。
2. オイルフィルターをエンジンブロックに手で軽く締め付ける。
3. オイルフィルターのゴムパッキンがエンジンブロックに接触してから4/3回転締め付ける。
締め付け過ぎに注意。オイル漏れやフィルターの破損の原因となる。

締め付け4/3回転は「4分の3回転」が正!

オイルフィルターの締め付け方法として「4/3回転」という表現がよく使われますが、これは「4分の3回転」という意味です。オイルフィルターのゴムパッキンがエンジンブロックに接触した状態から、さらに4分の3回転だけ締め付けることを意味します。

決して4回転の3分の1という意味ではありません。この方法を用いる場合でも、締め付け過ぎには十分注意しましょう。過剰な締め付けは、オイル漏れやフィルターの破損の原因となります。

オイルフィルターの締め過ぎ・手回しに注意!

オイルフィルターの締め付けは、適正なトルクで行うことが重要です。締め付けトルクが不足するとオイル漏れが発生する可能性があり、逆に締め過ぎるとオイルフィルターやエンジン本体にダメージを与えてしまう可能性があります。

また、トルクレンチを使用せずに手回しで締める場合にも、締め過ぎに注意が必要です。

オイルフィルターを締めすぎるとどうなる?

オイルフィルターを締めすぎると、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • オイルフィルターの破損:締め付けトルクが過大になると、オイルフィルターのパッキンやハウジングが変形・破損する可能性があります。最悪の場合、オイル漏れにつながり、エンジンに深刻なダメージを与える可能性も。

  • エンジン本体の損傷:オイルフィルターの取り付け部は、エンジン本体の一部です。過剰なトルクで締め付けると、この部分に歪みが生じたり、ネジ山が破損する可能性があります。高価な修理費用が必要になるケースも少なくありません。

  • オイルフィルターの取り外し困難:次回のオイル交換時に、締めすぎたオイルフィルターを取り外すのが非常に困難になる場合があります。専用の工具が必要になったり、最悪の場合、オイルフィルターを破壊して取り外す必要が生じるケースも。

これらの問題を避けるため、必ず車両ごとの規定トルクを守ってオイルフィルターを締め付けるようにしましょう。規定トルクは、車両の取扱説明書または整備手帳に記載されています。もし不明な場合は、ディーラーや整備工場に確認することをお勧めします。

トルク無し(手回し)で締めるときも注意

トルクレンチを使用せずに手回しでオイルフィルターを締め付ける場合、締め過ぎに特に注意が必要です。感覚に頼るため、適正なトルクで締め付けることが難しく、ついつい締め過ぎてしまう傾向があります。

「手でグッと締めた後に、さらに少しだけ回す」という方法も広く知られていますが、これも個人の感覚に依存するため、締め過ぎのリスクが伴います。初心者の方や、自信のない方はトルクレンチの使用を強く推奨します。

手回しで締め付ける場合は、オイルフィルターのパッキンにオイルを塗布し、滑りを良くしてから行うようにしましょう。また、締め付け後はオイル漏れがないか、必ず確認してください。少しでも不安な場合は、無理せずディーラーや整備工場に依頼しましょう。適切なオイルフィルターの締め付けは、エンジンの正常な動作と寿命を維持するために不可欠です。

オイルフィルター(エレメント)の交換方法も解説!

オイル交換と同時に行うのが基本のオイルフィルター交換。一見難しそうに見えますが、手順を踏めば誰でも安全に交換できます。

ここでは、必要な工具から交換手順、注意点まで詳しく解説します。

オイルフィルターの交換時に必要なもの

オイルフィルター交換を始める前に、必要なものを揃えましょう。事前の準備がスムーズな作業につながります

アイテム 役割 補足
新しいオイルフィルター 交換するフィルター 車種に適合するものを選びましょう。純正品または信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
新しいエンジンオイル オイル交換と同時に行うため 車種に適合する粘度のオイルを選びましょう。API規格やILSAC規格も確認しましょう。
オイルフィルターレンチ フィルターを回して取り外す カップ型、チェーン型、ストラップ型など様々な種類があります。フィルターのサイズに合わせて適切なものを選びましょう。
ドレンボルトガスケット(ワッシャー) ドレンボルトのオイル漏れを防ぐ オイル交換ごとに交換するのが一般的です。銅製やアルミ製のものがあります。
廃油処理容器 抜いたオイルを保管 容量に余裕のあるものを選びましょう。ガソリンスタンドなどで引き取ってもらえることが多いです。
トルクレンチ 規定トルクで締め付ける オイルフィルター、ドレンボルトともに締め付けトルクが指定されている場合は使用しましょう。
ゴム手袋 手を汚さないように保護 オイル汚れを防ぎます。ニトリルゴム製がオイルに強くおすすめです。
ウエス(布) オイル汚れを拭き取る キッチンペーパーでも代用可能です。
メガネレンチ/ソケットレンチ ドレンボルトを外す ドレンボルトのサイズに合ったものを使用します。
ジャッキ&ウマ 車体を持ち上げて作業スペースを確保 安全に作業するために必須です。耐荷重を確認し、平坦な場所で使いましょう。

オイルフィルターの交換手順

安全にオイルフィルター交換を行うための手順を解説します。作業前にエンジンを停止し、十分に冷ましてから作業を始めましょう。

  1. エンジンを暖気運転し、オイルを温めることでオイルが抜けやすくなります。ただし、熱すぎるオイルは危険なので、少し冷ましてから作業しましょう。

  2. ジャッキアップしてウマをかけ、安全を確保します。必ず平坦な場所で行い、サイドブレーキもかけましょう。

  3. 廃油処理容器をドレンボルトの下に置き、メガネレンチやソケットレンチを使ってドレンボルトを緩めます。完全に外すとオイルが勢いよく出てきますので注意してください。

  4. オイルが抜けきるのを待ちます。この間にオイルフィルターレンチを新しいオイルフィルターにセットしておきましょう。ゴムパッキンに新しいエンジンオイルを薄く塗っておくと、取り付けがスムーズになります。

  5. オイルが抜けきったら、新しいドレンボルトガスケットを取り付けてドレンボルトを締め付けます。締め付けトルクは車種ごとに指定されているので、トルクレンチを使用して規定値で締め付けましょう。

  6. オイルフィルターレンチを使って古いオイルフィルターを取り外します。オイルが垂れてくるので、ウエスで受け止めましょう。

  7. 新しいオイルフィルターを取り付けます。手回しで締め付け、規定トルクが指定されている場合はトルクレンチで締め付けます。指定がない場合は、手回しでしっかりと締め付けた後、さらに4分の3回転ほど締め付けます。

  8. 新しいエンジンオイルを規定量まで注入します。

  9. エンジンを始動し、オイル漏れがないか、オイル警告灯が消えるかを確認します。オイルレベルゲージでオイル量を確認し、必要に応じてオイルを補充します。

  10. 数分間アイドリングした後、エンジンを停止し、再度オイル量を確認します。必要に応じてオイルを補充しましょう。

  11. 廃油は適切に処理しましょう。ガソリンスタンドなどで引き取ってもらえることが多いです。

オイルフィルターを自分で交換する際の注意点

オイルフィルター交換は比較的簡単な作業ですが、いくつか注意点があります。安全のためにも、以下の点に注意して作業を行いましょう

・エンジンが熱い状態で作業すると火傷の危険があります。必ずエンジンが冷めてから作業しましょう。

・ジャッキアップする際は、平坦で安定した場所を選び、ウマを必ず使用しましょう。作業中の車の転倒を防ぎ、安全を確保します。

・廃油は環境に有害です。適切な方法で処理しましょう。多くのガソリンスタンドや自治体で回収を行っています。

・オイルフィルターの締め付けトルクを守りましょう。締め付けが弱いとオイル漏れを起こし、締め付けすぎるとフィルターが破損する可能性があります。

・オイル交換後は、必ずオイル漏れがないか、オイル量が適切かを確認しましょう。オイル漏れやオイル量の不足はエンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。

・作業に不安がある場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。安全で確実な作業が期待できます。

オイルフィルターの締め付けトルクは適切に!

この記事では、オイルフィルターの適切な締め付けトルクについて解説しました。締め付けトルクが強すぎると、オイルフィルターの破損やオイル漏れの原因になります。逆に弱すぎると、オイル漏れやフィルターの脱落につながる可能性があります。

オイルフィルターの交換は、車のメンテナンスにおいて重要な作業です。適切なトルクで締め付けることで、オイル漏れなどのトラブルを防ぎ、エンジンの性能を維持することができます。自信がない場合は、無理せずプロに依頼することも検討しましょう。

この記事の執筆者 : 福塚鉄也(株式会社えびすツール 代表取締役)

【自動車・物流分野に精通した通販のプロフェッショナル】
経理の専門家として上場企業を中心に長年キャリアを積んだ後、前職で自動車・物流関連用品の通信販売事業の責任者を務める。卓越したデータ分析力と探究心を活かし、事業を成功に導きました。
2024年4月、こうした自動車・物流分野での豊富な経験とノウハウを基に、株式会社えびすツールの代表取締役に就任。同社の強みである「高品質で低価格」の商品ラインナップを強化し、緻密な戦略と分析力で企業の更なる成長を牽引します。
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