スリングベルトとは、建設現場、工場、倉庫など、様々な場所で重量物の吊り上げや移動に用いられるベルト状の吊り具です。
その高い強度と柔軟性から、様々な荷物の搬送に活躍しています。
従来のワイヤーロープと比べて軽量で扱いやすく、作業効率の向上にも貢献しています。この記事では、スリングベルトの選び方、使い方、安全な使用方法、保管方法などを詳しく解説し、スリングベルトを安全に、そして効果的に活用するための知識を網羅します。
重量物の吊り上げや移動、固定を行う「スリングベルト」は、作業の効率化や安全性向上に欠かせません。しかし、誤った使い方をすると事故や破損の原因になってしまうこともあるため、注意が必要です。
この記事では、スリングベルトの選び方や正しい使い方、安全な取り扱い方法や保管のコツをわかりやすく解説します。スリングベルトを安全かつ効果的に活用するためのポイントを徹底的にご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
1. スリングベルトとは?

スリングベルトとは、ポリエステルなどの強度の高い繊維で作られた帯状の吊り具で、主に建設現場や工場、倉庫、物流、航空、海運などのさまざまな産業分野で重量物の吊り上げや移動、荷物の固定に使用されています。
スリングベルトは金属製のワイヤーロープよりも軽量で柔軟性があるため、荷物を傷つけにくいのが特徴です。そのため、精密機器やデリケートな素材の取り扱いにも適しています。
また、金属部品を使わないため錆びることがなく、水や油に強いため、屋外や湿気の多い環境でも長期間安全に使用できるのもポイントです。また、軽量で持ち運びやすいことから、現場での準備や後片付けの負担を減らすことができるアイテムでもあります。
これらの特徴から、スリングベルトは多様な場面で安全かつ効率化のために欠かせない存在となっています。
2. スリングベルトの種類を解説!

このようにとても便利なスリングベルトですが、どのような環境で使うかやどのようなものに使うかで適切なものが変わってきます。
スリングベルトの幅は、吊り上げる荷物の重量によって異なり、重量が重いほど、幅広のスリングベルトを使用する必要があります。幅広のスリングベルトは、荷重を分散させる効果があり、破断や落下のリスクを軽減することができます。そこで、ここではスリングベルトの種類について、幅に注目してご紹介していきます。
2-1. スリングベルト 25mm幅
幅が25mmのスリングベルトは、比較的軽量な荷物を吊り上げる際に適しています。 スリングベルト 25mm幅 は、様々な長さの選択肢があり、用途に合わせて最適な長さを選ぶことができます。軽量で扱いやすいため、小規模な作業や、繊細な荷物を扱う際に便利です。 例えば、機械部品の搬送や、家具の移動など、比較的軽い荷物を扱う作業に適しています。

2-2. スリングベルト 35mm幅
幅が35mmのスリングベルトは、25mm幅のスリングベルトよりも強度が高いため、重量のある荷物を吊り上げる際に適しています。 スリングベルト 35mm幅 は、幅広い用途で活躍する汎用性の高いスリングベルトです。工場内での搬送作業や、建設現場での資材運搬など、様々な場面で活躍します。 例えば、ドラム缶の搬送や、資材の運搬など、重量のある荷物を扱う作業に適しています。

2-3. スリングベルト 50mm幅
幅が50mmのスリングベルトは、さらに強度が高く、より重量のある荷物を吊り上げる際に適しています。 スリングベルト 50mm幅 は、重量物の吊り上げ作業に最適です。大型機械や構造物の搬送など、高負荷な作業にも対応できます。 例えば、大型機械の搬入や、建築資材の運搬など、非常に重い荷物を扱う作業に適しています。

2-4. スリングベルト 75mm幅
幅が75mmのスリングベルトは、非常に強度が高く、超重量物の吊り上げ作業に適しています。 スリングベルト 75mm幅 は、大型機械の吊り上げなどに使用されます。非常に重い荷物を安全に吊り上げるために、高い強度と信頼性が求められる場面で活躍します。 例えば、大型クレーンによる大型機器の搬入など、非常に重量のある荷物を扱う作業に適しています。

3. スリングベルトの使い方・吊り方にはどんなものがある?

ここまで、スリングベルトがどのようなものなのかを解説しました。ここからは、具体的にどのように使用していくのか、その方法について解説していきます、
スリングベルトの使い方として、基本になるのが「掛け方」です。掛け方が上手くできていなければ、ものが倒れるのを防ぐことも安全に吊り上げることもできません。そんなスリングベルトの掛け方は、吊り上げる荷物の形状や作業内容によって異なります。ここでは、3つの一般的な掛け方をご紹介します。
3-1. ストレート吊り
スリングベルトを荷物の真下に通して吊り上げる方法です。最も安定した吊り上げ方法であり、荷物を垂直に吊り上げる際に適しています。荷物の重心が安定しやすく、バランスを崩しにくいのが特徴です。
3-2. 両端吊り
スリングベルトを荷物の両端に掛けて吊り上げる方法です。荷物を水平に吊り上げたい場合に適しています。荷物を水平に移動させる際に使用されます。ただし、荷物の重心がずれていると、バランスを崩しやすいため注意が必要です。

3-3. 4本吊り
スリングベルトを荷物の4隅に掛けて吊り上げる方法です。荷物を安定して吊り上げたい場合に適しています。大型の荷物を安全に吊り上げる際に有効な方法です。荷重が均等に分散されるため、荷崩れを防ぐ効果があります。
4. スリングベルトの使い方を手順に沿って解説!

スリングベルトは、正しく使えば安全で効率的に荷物を吊り上げられる便利な吊り具です。しかし、誤った使い方や不注意な操作をすると、荷物の落下や重大な事故につながる恐れがあります。
安全に作業を行うためには、基本的な使い方と正しい手順をしっかり理解しておくことが大切です。ここでは、スリングベルトの安全な使い方を手順に沿ってわかりやすく解説します。
4-1. 準備
まずは、下記手順に従い、スリングベルトを安全に使用するための準備をしていきます。
1. 吊り上げる荷物の重量を正確に把握し、それに耐えられるスリングベルトの強度を確認する。
2. 使い方を事前に確認・理解し、作業スペースを確保して周囲に障害物がないことを確認する。
3. 安全対策としてヘルメットや安全靴、手袋などの保護具を必ず着用する。
これらの準備を怠ると、作業中の事故や機材の損傷につながる可能性が高まるため、作業前の丁寧な点検と確認はとても重要です。
4-2. 掛け方
吊り上げる荷物の形状や重心、作業内容に合わせて適切な方法でスリングベルトを掛けてください。上記でお話したスリングベルトの掛け方を参考にしていただければ幸いです。
また、スリングベルトを掛ける際にはスリングベルトが荷物の鋭利な部分に直接触れないように保護具を使うなどの安全対策もあわせて行うようにしてください。
4-3. 吊り上げ
スリングベルトを掛け終えたら、慎重に荷物を吊り上げていきましょう。安全作業のためには事前の点検と慎重な吊り上げ操作が欠かせません。
吊り上げの際は、まず全ての接続点がしっかり固定されているかを再確認し、荷物の重心が安定していることをチェックしてください。また、吊り上げ動作はゆっくりと行い、急激な動きは避けることが大事です。
吊り上げ中は荷物のバランスやスリングベルトの緩み、荷物の傾きなど、異常がないか常に監視しましょう。問題を感じたらすぐに作業を中止することも重要です。また、吊り角度が適切であるかや荷重が均一に分散されているかも注目したいポイントです。
4-4. 降ろし
荷物を降ろす際には、吊り上げ時と同様に慎重に作業を行い、荷物の状態を常に確認することが重要です。荷物が安全な場所まで無事に移動したことを確認するまでは、スリングベルトから手を離さず、急な動きや荷崩れを防ぐように注意してください。
荷物が完全に安定した状態であることを確認してからスリングベルトを外し、作業を完了させます。このとき、荷物のバランスや吊り角度にも気を配り、安全かつスムーズな荷下ろしを心がけることが事故防止につながります。安全対策として、周囲の人に注意を促し、適切な誘導も行いましょう。
5.スリングベルトの安全な使い方とは?

スリングベルトを使用する際には、安全を第一に考え、以下の点に注意して作業を行うことが重要です。
5-1. 強度確認
スリングベルトを使用する前に、必ずスリングベルトの強度が吊り上げる荷物の重量に耐えられるかを確認してください。
スリングベルトには、それぞれ最大使用荷重が記載されています。この荷重を超えて使用すると、破断する危険性があります。
5-2. 点検
スリングベルトを使用する前に、必ず点検を行い、破損や摩耗がないかを確認してください。破損や摩耗が見られる場合は、使用しないでください。破損したスリングベルトは、安全性が保証されません。
また、定期的にスリングベルトの点検を行い、摩耗や破損がないか確認しましょう。

5-3. 正しい掛け方
スリングベルトを正しい方法で掛けてください。誤った掛け方をすると、荷崩れや落下事故などの危険性があります。
スリングベルトの使用方法がわからない場合は、必ず専門家に相談してください。 正しい掛け方を確認し、安全な操作方法を理解することが重要です。
5-4. 吊り上げ作業中の安全確認
吊り上げ作業中は、荷物の状態を常に確認し、異常があればすぐに作業を中止してください。
特に、荷物が傾いたり、スリングベルトが緩んだりしている場合は、危険信号です。 吊り上げ作業中は、周囲の状況にも注意し、安全な作業環境を確保しましょう。
5-5. スリングベルトの使用制限
スリングベルトは、指定された用途以外に使用しないでください。例えば、スリングベルトを引っ張ったり、ねじったりしないでください。このような行為は、スリングベルトを破損させる原因となります。
スリングベルトは、吊り上げ作業専用であり、他の用途には使用しないようにしましょう。
5-6. 保管方法
スリングベルトは、定期的な点検とともに適切な管理が欠かせません。保管時は、具体的には以下のポイントを意識すると良いでしょう。
・直射日光や雨風、紫外線、高温多湿の環境を避け、風通しの良い乾燥した室内で保管する
・スリングベルトは緩めに巻き取って形状を保ち、折り目や圧力による損傷を防ぐ
・上に重い物を置かないようにし、変形や繊維の劣化を防ぐ
・使用後は汚れや油分をしっかり除去し、清潔な状態で保管する
このように、スリングベルトは適切に保管すれば劣化を防げ、長く安全に使用することができます。また、専用のハンガーやラックを用いると形状を保持するのに効果的です。

6. スリングベルトの選び方を紹介

ここまで、スリングベルトの特徴や使い方について、徹底的に解説しました。ここからは、実際にスリングベルトを選ぶ際に知っておきたいポイントをご紹介します。
スリングベルトは、吊り上げる荷物の「重量」や「形状」、さらに「作業環境」によって適した種類や仕様が異なります。用途に合わないものを選ぶと、作業効率の低下や破損のリスクにつながるため、選定基準をしっかり理解しておくことが大切です。詳しく見ていきましょう。
6-1. 吊り上げる荷物の重量
スリングベルトの選び方において最も重要な要素の一つが、吊り上げる荷物の重量です。
スリングベルトにはそれぞれ最大使用荷重が定められており、この荷重を超えて使用すると、破断する危険性があります。そのため、吊り上げる荷物の重量を正確に把握し、それに対応できる強度を持つスリングベルトを選ぶ必要があります。
荷物の重量が軽ければ、細い幅のスリングベルトで十分ですが、重量物を取り扱う場合は、幅広で強度が高いスリングベルトを選ぶ必要があります。
6-2. 吊り上げる荷物の形状
吊り上げる荷物の形状も、スリングベルトの選び方に影響します。
例えば、角張った荷物を吊り上げる場合は、スリングベルトが荷物の角に当たって破損する可能性があります。このような場合は、荷物の角にパッドなどを当てて保護する必要があります。
また、丸い荷物を吊り上げる場合は、スリングベルトが滑り落ちないように、適切な方法で固定する必要があります。 荷物の形状に合わせて、スリングベルトの掛け方や長さも調整する必要があることを覚えておきましょう。

6-3. 作業環境
作業環境も、スリングベルトの選び方に影響します。
屋外での作業では、雨や風、紫外線の影響を受けにくい耐候性の高いポリエステル製ベルトを選ぶことが重要です。高温の場所では耐熱性を持つ素材を選ぶ必要があり、化学物質がある環境では耐薬品性に優れたベルトが求められます。
作業スペースが狭い場合は、適切な長さのスリングベルトを使うことで作業効率を確保できます。スリングベルトの幅と長さは、吊り上げる荷物の重量や形状、作業内容に合わせて適切に選択することが大切です。
7. スリングベルトならえびすツール

スリングベルトは、重量物の吊り上げや移動に欠かせないアイテムです。正しい使い方を守り、安全に作業を行うようにしましょう。
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