オイル交換のたびに「フィルターも替えますか?」と聞かれて、毎回必要なのか迷ったことはありませんか。
調べると「2回に1回でいい」「毎回替えるべき」と情報が割れていて、どれが正しいのか分かりにくいところです。
実はこれ、メーカーによって推奨が違うのが理由です。トヨタは同時交換をすすめ、ホンダは2回に1回をすすめています。どちらも間違いではありません。
この記事では、各メーカーの公式な交換時期を区分ごとに整理したうえで、毎回交換したほうがよいケース、かかる費用の考え方までまとめます。
1. 結論:毎回でなくてもよいが、車によっては毎回が正解
先に結論をお伝えします。すべての車が毎回交換しなければならない、ということはありません。多くのメーカーは「エンジンオイル交換2回につき1回」を基本としています。
ただし、次の場合は毎回の同時交換が推奨されます。
- ターボ車
- ディーゼル車
- シビアコンディションで使っている車
- メーカーが同時交換を指定している車
そして重要なのが、「2回に1回」も「毎回」も、メーカーが公式に示している目安だという点です。ネット上で情報が割れているのは、どのメーカーを基準にしているかが違うためです。
交換を先延ばしにした場合に何が起きるかは『オイルフィルターを交換しないとどうなる?交換時期の目安と放置リスク3つ』で解説しています。
逆に「3回に1回でも十分では?」という説については『オイルフィルター交換は3回に1回でOK?推奨しない理由5つ』で検証しています。
2. メーカー別の推奨頻度
主要メーカーが公式サイトで示している、オイルフィルターの交換時期をまとめます。
2.1 トヨタ:オイル交換と同時の交換をすすめている
トヨタは「エンジンオイルの交換とともに、オイルフィルターの交換をおすすめします」としています。実際、オイルの標準交換時期(ガソリン車・ターボ除くで15,000km)とフィルターの標準交換時期が一致しており、実質的に毎回の同時交換を想定した設定です。
| 車種 | 標準 | シビアコンディション |
|---|---|---|
| ガソリン車(ターボ車を除く) | 15,000km | 7,500km |
| ガソリンターボ車 | 10,000km〜15,000km | 5,000km |
| ディーゼル車 | 15,000km〜20,000km | 7,500km〜10,000km |
出典:トヨタ自動車 公式サイト
2.2 ホンダ:オイル交換2回につき1回
ホンダは「エンジンオイルの交換2回につき1回の割合でオイルフィルターを交換すること」を推奨しています。使用するオイルの銘柄によって間隔が変わるのが特徴です。
| 区分 | 標準 | シビアコンディション |
|---|---|---|
| ウルトラGreen/ウルトラLEO推奨車 | 30,000kmまたは24ヶ月 | 15,000kmまたは12ヶ月 |
| ターボ車 | 10,000kmまたは12ヶ月 | |
| 上記以外 | 20,000kmまたは24ヶ月 | 10,000kmまたは12ヶ月 |
出典:本田技研工業 公式サイト
2.3 日産:ガソリン車は2回に1回、ターボ・ディーゼルは同時
日産は、ガソリン車ではオイル交換2回に1回、ターボ車とディーゼル車ではオイル交換と同時の交換をすすめているとされています。
ただし日産は車種別の取扱説明書に記載を分散させているため、お使いの車のメンテナンスノートで確認するのが確実です。
2.4 なぜメーカーで答えが違うのか
推奨が分かれるのは、前提としているオイルとエンジンが違うからです。
ホンダのように長寿命設計の純正オイルを前提にしている場合、オイルそのものの交換間隔が長くなります。すると「オイル2回分」の走行距離も長くなり、フィルターは30,000kmまで持たせる設計になります。
一方トヨタのように、オイルとフィルターの交換時期を揃えている場合は、結果として毎回の同時交換になります。
つまり、「2回に1回」という数字だけを他メーカーの車に当てはめても意味がありません。ご自身の車のメンテナンスノートを確認するのが、いちばん確実です。
軽自動車と普通車で考え方がどう違うかは『軽自動車のオイルフィルター交換時期は?普通車との違いと目安を解説』で比較しています。
3. 毎回交換したほうがよいケース
メーカーの目安に関わらず、次のような場合は毎回の同時交換をおすすめします。
3.1 ターボ車・ディーゼル車に乗っている
ターボ車はタービンが高温・高回転で回るため、オイルの劣化が早く進みます。ディーゼル車は燃焼時にすすが発生しやすく、フィルターに汚れが溜まりやすい特性があります。
どちらもメーカーの推奨間隔自体が短めに設定されており、実質的に毎回の同時交換に近い頻度になります。
3.2 シビアコンディションに当てはまる
次のような使い方は、メーカーの言う「シビアコンディション」に該当します。
- 1回あたりの走行距離が短い(ちょい乗りの繰り返し)
- 渋滞路を走ることが多い
- 悪路や未舗装路を走る
- 山道など、上り下りの多い道を頻繁に走る
- 走行距離が極端に多い
この場合、交換間隔は標準の半分程度が目安になります。特に短距離走行の繰り返しは、エンジンが温まりきる前に停止するため、オイルに水分や燃料が混ざりやすく、劣化を早めます。
3.3 エンジンオイルの銘柄を変える
使うオイルの種類を変えるときは、フィルターも同時に交換したほうが確実です。
フィルターを残したままにすると、内部に残った以前のオイルが新しいオイルに混ざります。性能の異なるオイルが混ざると、期待した性能を発揮できない場合があります。
3.4 中古車を買って交換履歴が分からない
前のオーナーがいつフィルターを交換したか分からない場合、最初のオイル交換時に一緒に替えてしまうのが安全です。
そこを起点にすれば、以降は自分で管理できます。
3.5 新車の初回オイル交換
新車のエンジン内部では、部品同士がなじむ過程で微細な金属粉が発生します。初回のオイル交換時にフィルターも一緒に交換しておくと、この金属粉を確実に排出できます。
4. 毎回交換するメリットとコスト
4.1 毎回交換するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 古いオイルが残らない | フィルター内部に残った汚れたオイルごと入れ替えられる |
| ろ過性能が常に新品 | 目詰まりによるろ過能力の低下を考えなくてよい |
| 管理がシンプル | 「今回は替える番か」と迷わずに済む |
意外と見落とされがちなのが、1つめの「古いオイルが残らない」という点です。フィルターを交換せずにオイルだけ抜いた場合、フィルター内部には汚れた古いオイルが残ったままになります。せっかく新しいオイルを入れても、その分だけ薄まってしまう計算です。
4.2 毎回交換した場合のコスト
デメリットとして挙げられるのは、費用と廃棄物です。
- 費用:フィルター本体の代金と、業者に依頼する場合は工賃が上乗せされます
- 廃棄物:使用済みフィルターの排出量が増えます
とはいえ、オイルフィルターは車の部品の中では安価な部類です。オイル交換とまとめて依頼すれば工賃も一度で済みますし、まとめ買いしておけば1回あたりの負担はさらに下がります。
業者に依頼した場合の工賃は、オイル交換と同時であれば数百円から1,000円台の上乗せというケースが一般的です。ただし店舗や車種によって幅があるため、事前に確認しておくのが確実です。
自分で交換する場合の手順と必要な工具は『オイルフィルターのDIY交換|初心者向け7ステップ』にまとめています。
5. まとめ
オイルフィルターをオイル交換のたびに替えるべきかどうかは、乗っている車のメーカーと車種によって答えが変わります。
トヨタはオイル交換と同時の交換をすすめ、ホンダはオイル交換2回につき1回を基本としています。どちらも公式の目安であり、前提としているオイルとエンジンが違うだけです。まずはご自身の車のメンテナンスノートを確認してください。
そのうえで、ターボ車・ディーゼル車、シビアコンディションでの使用、オイルの銘柄変更、交換履歴の分からない中古車、新車の初回交換にあてはまるなら、毎回の同時交換を選んでおくのが安心です。
フィルターの構造や種類そのものについては『オイルフィルターとは?種類・素材の違いと役割をわかりやすく解説』もあわせてご覧ください。


