「パーツクリーナーとブレーキクリーナーって何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?どちらも油汚れを落とす洗浄剤ですが、実は成分や用途が異なり、間違った使い方をするとパーツを傷める可能性も。
このページでは、パーツクリーナーとブレーキクリーナーの違いを成分や特徴から分かりやすく解説し、それぞれの使用用途や注意点、NGパーツまでご紹介します。正しい知識を身につけて、愛車を安全にメンテナンスしましょう。
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの違いを徹底解説!
さっそく、パーツクリーナーとブレーキクリーナーの違いを見ていきましょう。成分の違いから、用途への違いが生じているようです。
パーツクリーナーとは
パーツクリーナーは、機械部品や工具に付着した油汚れ、グリス、カーボンなどを洗浄するために使用される溶剤です。主成分は、ヘキサン、トルエン、キシレンなどの有機溶剤で、これらの溶剤が油汚れなどを溶解し、除去します。
パーツクリーナーは、その強力な洗浄力で、自動車やバイクのメンテナンス、工業機械の洗浄、家庭内の油汚れ落としなど、幅広い用途で使用されています。
ブレーキクリーナーとは
ブレーキクリーナーは、ブレーキシステムの部品に付着したブレーキダスト、油脂、水分などを洗浄するために専用に開発されたパーツクリーナーの一種です。ブレーキダストは、ブレーキパッドやブレーキローターの摩耗によって発生する粉塵で、吸入すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ブレーキクリーナーは、このブレーキダストを安全かつ効果的に除去するために、強力な洗浄力と速乾性を備えています。
パーツクリーナーとブレーキクリーナーはどう使い分ければいい?
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、どちらも油汚れを落とすという点では同じですが、それぞれ使用用途が異なります。
パーツクリーナーは、エンジンルームなどの油汚れや、工具に付着したグリスなどを落とすのに適しています。一方、ブレーキクリーナーは、ブレーキシステムの部品に付着したブレーキダストや油脂を落とすのに適しています。
ブレーキクリーナーは、パーツクリーナーよりも強力な洗浄力と速乾性を備えているため、ブレーキシステムの洗浄に最適です。また、ブレーキフルードやグリスなど、ブレーキシステムに悪影響を及ぼす可能性のある物質を溶解しないように、成分が調整されています。
特徴 | パーツクリーナー | ブレーキクリーナー |
---|---|---|
洗浄力 | 強い | 非常に強い |
速乾性 | 普通 | 速乾性 |
対ゴム性 | △(ゴムを劣化させる場合がある) | ○(ゴムを劣化させにくい) |
用途 | エンジンルームの油汚れ落とし、工具の洗浄など | ブレーキシステムの洗浄 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの使用NG箇所も紹介!
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、どちらも洗浄に使用するものですが、洗浄力の強さや成分が異なります。そのため、使用できない箇所があります。
誤って使用すると、部品の劣化や故障の原因になる可能性があるので、注意が必要です。
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの使用NGパーツ一覧
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの使用NGパーツを一覧表にまとめました。
パーツ | パーツクリーナー | ブレーキクリーナー | 注意点・代用品 |
---|---|---|---|
ゴムや樹脂パーツ | △ | × |
パーツクリーナーは、ゴムや樹脂の種類によっては、劣化させてしまうことがあります。心配な場合は、使用前に目立たない箇所でテストするか、樹脂にも使用できるタイプを選びましょう。ブレーキクリーナーは、ゴムや樹脂を劣化させる成分が含まれているため、使用は避けましょう。 代用品としては、水で薄めた中性洗剤やパーツクリーナー専用のゴム・樹脂対応タイプがあります。 |
塗装面 | △ | × |
パーツクリーナーは、塗装の種類によっては、色落ちや変色を起こすことがあります。心配な場合は、使用前に目立たない箇所でテストするか、塗装面にも使用できるタイプを選びましょう。ブレーキクリーナーは、塗装を剥がしてしまう可能性があるので、使用は避けましょう。 代用品としては、水で薄めた中性洗剤やカーシャンプーなどがあります。 |
ブレーキパッド | × | × |
パーツクリーナーやブレーキクリーナーは、ブレーキパッドの摩擦材を劣化させてしまい、ブレーキの効きが悪くなる可能性があります。ブレーキパッドの洗浄には、専用のブレーキクリーナーを使用しましょう。 |
ベアリング | × | × |
パーツクリーナーやブレーキクリーナーは、ベアリング内部のグリスを洗い流してしまう可能性があります。ベアリングの洗浄には、専用の洗浄油を使用し、洗浄後は必ずグリスアップを行いましょう。 |
電子部品 | × | × |
パーツクリーナーやブレーキクリーナーは、電子部品の故障の原因となる可能性があります。電子部品の洗浄には、専用のクリーナーを使用するか、エアダスターでゴミを吹き飛ばしましょう。 |
ブレーキクリーナーには速乾性と対ゴム性がある!
ブレーキクリーナーは、ブレーキ周りの油汚れを強力に落とすために開発されたものです。そのため、以下の特徴があります。
ブレーキクリーナーをバイクに使用する際は特に注意!
ブレーキクリーナーは、その強力な洗浄力から、バイクの洗浄にも使用されるケースがあります。しかし、バイクにはゴムや樹脂パーツ、塗装面が多く使用されているため、注意が必要です。
特に、旧車と呼ばれる古いバイクは、現代のバイクに比べて、ゴムや樹脂パーツの耐薬品性が低い傾向があります。そのため、ブレーキクリーナーは使用前に問題ない部位なのかチェックしてから行いましょう。
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの使い方も紹介!
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、どちらもスプレータイプで販売されています。基本的な使い方は同じですが、使用する際には、以下の点に注意しましょう。
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの使い方
- 洗浄する部分を分解する
- 洗浄する部分から10~15cmほど離れた位置からスプレーする
- 汚れがひどい場合は、ブラシなどを使ってこすり洗いする
- パーツクリーナーやブレーキクリーナーが残らないように、ウエスなどで拭き取る
- 十分に乾燥させる
パーツクリーナーとブレーキクリーナー使用時の注意点は?
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、強力な洗浄力を持つ反面、使用上の注意点もいくつかあります。安全に正しく使用するために、以下の点に注意しましょう。
注意点 | 詳細 |
---|---|
換気 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、どちらも有機溶剤を含んでいるため、使用時は必ず換気を十分に行いましょう。換気が不十分な場所で作業すると、めまいや吐き気などの健康被害を引き起こす可能性があります。 |
火気厳禁 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、可燃性の高い製品です。火気のある場所で使用したり、保管したりすることは絶対にやめましょう。火災や爆発の危険があります。 |
保護具の着用 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、皮膚に刺激を与える可能性があります。使用時は、保護メガネやゴム手袋を着用して、皮膚への直接の接触を避けましょう。万が一、目に入った場合は、直ちに大量の水で洗い流し、医師の診察を受けてください。 |
材質への影響 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、ゴムやプラスチック、塗装面を傷める可能性があります。使用する前に、目立たない箇所でテストを行い、材質への影響を確認してから使用しましょう。特に、ブレーキクリーナーは強力な脱脂作用があるため、ゴム部品への使用は避けるか、短時間での使用にとどめましょう。 |
廃棄方法 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、各自治体の指示に従って適切に廃棄しましょう。使い終わった缶は、ガス抜きキャップを取り付けてから、不燃ごみとして捨てるのが一般的です。ただし、自治体によって分別方法が異なる場合があるので、必ず確認するようにしましょう。 |
パーツクリーナーとブレーキクリーナーは、正しく使用すれば非常に便利なアイテムです。それぞれの洗浄剤の特徴を理解し、安全に注意しながら使用することで、愛車のメンテナンスに役立てましょう。
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの違いを理解して上手く使い分けよう!
パーツクリーナーとブレーキクリーナーの違い、ご理解いただけたでしょうか?どちらも洗浄剤ですが、成分や洗浄力、用途が異なります。パーツクリーナーは、油汚れ全般に使える万能選手ですが、ゴムやプラスチックを傷める可能性があります。
一方、ブレーキクリーナーは、ブレーキ周りの油汚れに特化した洗浄剤で、速乾性が高く、ゴムを傷めにくい特徴があります。ただし、塗装面を傷める可能性があるので注意が必要です。
どちらの洗浄剤も、使用上の注意点を守って正しく使うことが大切です。