エンジンオイル交換は、工具さえ揃えれば自分でもやれる作業です。業者に頼むと毎回工賃がかかるので、ターボ車や軽自動車のように交換頻度が高い車、社用車を複数台抱えている事業者の方ほど、自分でやる金銭的なメリットは出てきます。
この記事では、オイル交換をDIYで行う方法を「上抜き」「下抜き」の違いから準備・手順・注意点まで解説していきます。
👉 こんな人に読んでほしい記事です
- これから初めてオイル交換のDIYに挑戦する方
- 業者依頼とDIYで迷っていて、判断材料がほしい方
※ コスト削減を最優先で検討中の方は 「オイル交換を安くする方法5選|店舗比較とDIYのコツ」 のほうが網羅的です。本記事は実際の作業手順とDIY判断のポイントに絞って解説しています。
📄 オイル交換の頻度・車種別サイクルについては「オイル交換の頻度はどのくらい?車種別の目安とやりすぎ・放置のリスクを解説」もあわせてご覧ください。
DIYオイル交換のメリット・デメリット
自分でやるかどうかを決める前に、まずはDIYのメリットとデメリットを並べて見ておきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 工賃(550円〜)が不要になる | 初期工具代に20,000円以上かかる場合がある |
| 好きなオイルを選べる | 廃油処理の手間・コストがかかる |
| 都合の良いタイミングで作業できる | ミスするとエンジン損傷のリスクがある |
| まとめ買いでオイル単価を下げやすい | 作業時間が慣れるまで1時間以上かかる |
特に気をつけたいのは初期工具代です。ジャッキ・ウマ・メガネレンチ・トルクレンチなどを一式揃えると2〜3万円前後の出費になり、年2回しか交換しない人だと工賃の節約分で元を取るのに何年もかかります。なので「DIYで得をするか」は、交換頻度や台数次第というのが正直なところです。
当店にも「整備工場で交換するより、自社で複数台まとめてやった方が安く済むのでは」というご相談を、運送業者さまや建設業者さまからよくいただきます。実際に試算してみると、社用車5台を年4回(軽自動車のターボ車などオイル消費が早めの車種を想定)交換するとオイル代だけで年6万円前後。これに整備工場の工賃を上乗せすると年10万円コースになるので、自社DIY化を検討する動機になっているようです。
逆に乗用車1台で年1〜2回しか交換しない一般のドライバーさんが工具一式を揃えるのは、コスト面でも手間の面でも見合わないことが多いと思います。年に1万円も浮かないのに2〜3万円の工具を抱える計算になるので、業者依頼で済ませた方がスッキリします。「DIYするかしないか」の境目は、おおまかに言えば年間の交換回数が10回(=4台×年2.5回くらい)を超えるかどうかで見るとイメージしやすいです。
💡 えびすツールのエンジンオイルは20Lペール缶でまとめ買いが可能です。交換頻度が高い方・複数台を管理している方は1Lあたりの単価を大幅に下げられます。
上抜きと下抜き、どちらを選ぶ?

DIYオイル交換には「上抜き」と「下抜き」の2つの方法があります。どちらにするかで必要な工具と手順が変わります。
| 方法 | 特徴 | 必要な工具 | 作業時間 |
|---|---|---|---|
| 上抜き | オイルレベルゲージ穴から吸引器で吸い上げる。ジャッキアップ不要で手軽 | オイルチェンジャー(5,000円前後〜)、オイルジョッキ | 約30分 |
| 下抜き | 車体下のドレンボルトを外してオイルを排出する。オイルフィルター交換も同時に行える | ジャッキ・ウマ、メガネレンチ、トルクレンチ、廃油パン | 約1時間 |
手軽さを重視するなら上抜き。オイルフィルターも同時に交換したい場合は下抜きが必要です。ただし車種によっては下抜き用のドレンボルトが装備されていない場合があるため、事前に確認しておきましょう。
⚠️ オイルフィルターの交換はオイル交換2回に1回が目安です。下抜きの場合はオイルフィルター交換も一緒に行うとまとめて効率よく作業できます。
準備するもの一覧

下抜きに必要なもの
| アイテム | 補足 |
|---|---|
| エンジンオイル | 車種に合った粘度・規格のものを用意。取扱説明書で確認 |
| ドレンパッキン(ワッシャー) | 交換のたびに新品に交換。ケチると漏れの原因になる |
| 廃油処理箱(廃油パック) | 車のオイル量より余裕のある容量を選ぶ |
| メガネレンチ(ドレンボルトのサイズに合ったもの) | サイズ確認してから購入。ソケットレンチでも可 |
| トルクレンチ | ドレンボルトを規定トルクで締めるのに必須。締めすぎ防止 |
| ジャッキ・ウマ(ジャッキスタンド) | 車を持ち上げて固定。耐荷重に注意して選ぶ |
| オイルジョッキ | 新しいオイルを入れる注入器。1L以上のものが便利 |
| ゴム手袋・ウエス | 手の汚れ防止と拭き取り用 |
| パーツクリーナー | ドレン周辺の洗浄用。後でオイル漏れと区別するために汚れを落とす |
オイルフィルターも交換する場合に追加で必要なもの
- オイルフィルター(車種適合品)
- オイルフィルターレンチ(カップ型・チェーン型など)
📄 オイルフィルター交換の詳しい準備・手順・注意点については「オイルフィルター交換は自分でも出来る?準備や手順、注意点を紹介!」をご覧ください。
DIYオイル交換の手順(下抜き)
オイルフィルターも同時に交換する場合の手順です。フィルター交換なしの場合は手順4〜5を省いてください。
STEP 1 エンジンを温めてから停止する
2〜3分アイドリングしてオイルを温めておくと、粘度が下がってスムーズに抜けます。ただし熱すぎると火傷するので、停止後10〜15分は待って、触れる程度の温度になってから始めましょう。
STEP 2 車をジャッキアップしてウマで固定する
この工程が一番事故の起きやすいところで、毎年DIY作業中の死亡事故が報じられています。アスファルトの平らな場所で必ず駐車ブレーキを引き、前後タイヤにチョーク(タイヤ止め)を挟んでから車を持ち上げます。ジャッキアップポイントは取扱説明書に必ず書いてあるので、初めての車種では事前に確認しておきましょう。
そして絶対にジャッキだけで車の下に潜らないでください。ジャッキは持ち上げる道具であって支える道具ではありません。ウマ(ジャッキスタンド)で必ず固定し、固定後にジャッキを少し下げて、車重がウマに乗っていることを確認してから作業に入ります。
STEP 3 ドレンボルトを外してオイルを抜く
オイルパンの真下に廃油処理箱をセットしてから、メガネレンチでドレンボルトを反時計回りに緩めます。最後の方は手で回せる程度に緩んでくるので、ボルトを落とさないよう手で受ける形で外すのがコツ。気を抜くと熱いオイルがバシャッとかかります。
完全に排出されるまで5〜10分。タラタラ程度になったら抜けきったサインです。抜けたらドレンパッキン(ワッシャー)を新品に替えて、トルクレンチで規定トルクで締め直します。締めつけトルクは取扱説明書に記載がありますが、一般的には20〜35Nm。締めすぎはオイルパンのネジ山を破損させる致命傷になるので、感覚で締めずトルクレンチを必ず使ってください。
📄 オイルフィルターの外し方・取り付け手順・注意点については「DIYで簡単にできるオイルフィルター交換ガイド」「オイルフィルター交換は自分でも出来る?準備や手順、注意点を紹介!」をあわせてご覧ください。
STEP 4 新しいオイルを注入する
ジャッキを外して車を水平に戻してから、オイルキャップを開けてオイルジョッキで新しいオイルを注ぎます。一気に入れず1Lずつゆっくり注ぐのがポイントで、車種によっては規定量より少なめで適正値に達することもあります。レベルゲージのFライン(上限)を超えないように、途中で何度か確認しながら入れていきましょう。
STEP 5 エンジンを始動してオイル漏れを確認する
エンジンをかけて1〜2分アイドリング。ドレンボルト周辺、フィルター周辺をのぞき込んで、滲んでいないか目視チェックします。問題がなければエンジンを止めて、5分くらい置いてからもう一度オイルレベルゲージを確認。これでFラインに収まっていれば完了です。
STEP 6 廃油を適切に処理する
廃油は排水溝や地面に捨てると環境汚染になります。廃油処理箱に吸わせて燃えるごみとして処理できる自治体もありますが、ルールは地域によって異なります。事前に確認するか、ガソリンスタンドやカー用品店の廃油回収サービスを利用してください。詳しくは エンジンオイルの正しい捨て方|費用を抑えて安全に処分する方法と廃棄先一覧 もご覧ください。
⚠️ ドレンボルトの締めすぎはオイルパンのネジ山を破損します。アルミ製オイルパンは特に壊れやすいため、必ずトルクレンチを使って規定値を守ってください。
DIYオイル交換でよくある失敗と対策

失敗① ドレンパッキンを交換し忘れてオイルが漏れる
ドレンパッキンは毎回新品に交換するのが基本です。再利用すると密閉性が落ちて、走っているうちにじわじわ漏れてくることがあります。1個数十円〜数百円の消耗品なので、ここでケチらない方が結果的に得です。
失敗② オイル量を入れすぎる
規定量を超えると、エンジン内部で泡立ちが起こって潤滑性能が落ちます。レベルゲージのFライン(上限)とLライン(下限)の間に収まるよう、少しずつ入れて途中で何度かゲージを確認するのが安全です。一度入れすぎると抜くのが面倒なので、慎重にいきましょう。
📄 入れすぎてしまった場合の症状や対処法は エンジンオイルの入れすぎは危険!6つの症状と対処法 をご覧ください。
失敗③ フィルターのガスケットを塗布せずに取り付ける
新しいオイルフィルターを取り付けるとき、ゴムパッキン部分にオイルを薄く塗っておかないと、密着不良で漏れが起きやすくなります。また塗っておかないと、次回の交換時にパッキンが固着して外しにくくなることも。地味ですが効く一手間です。
📄 オイルフィルターが固着して外れない場合の対処法については「オイルフィルターが取れない(外れない)時の対処法!タイプ別外し方と工具を解説」をご覧ください。
オイル選びのポイント
DIYの良さの一つは、自分の好きなオイルを選べることです。とはいえ、車との相性を外すとエンジンに負担がかかるので、最低限のチェックポイントは押さえておきましょう。
粘度(例:5W-30)を取扱説明書で確認する
オイルの粘度は、取扱説明書か給油口付近のラベルに必ず書いてあります。指定外の粘度を入れるとエンジン保護性能や燃費が落ちることがあるので、まずはここを確認するのが先です。「最近のエンジンは0W-20が主流だから」と勝手に判断せず、自分の車の指定値を見るのが安全です。
API規格・ILSAC規格をクリアした製品を選ぶ
現行の最新規格はAPI SP/ILSAC GF-6A。この規格をクリアしていれば、エンジン保護性能・清浄性能・省燃費性能の最低ラインは押さえられているという目印になります。高いブランドオイルを買わなくても、規格通過品の中から選べばまず外しません。むしろ価格と性能のバランスを重視するならその方が合理的です。
当店でも「ホームセンターで4L缶を毎回買うのと、20Lのペール缶を1回で買うの、どちらが本当に得なのか」というご質問をいただきます。乗用車1台で年1回交換するくらいなら4L缶で困りません。一方、軽自動車のターボ車(オイル消費が早め)や複数台保有の方は、当店の例だと4L缶750円/L→20Lペール缶590円/Lと、1Lあたり約2割引になります。年に40L以上使うようなら、保管場所さえ確保できればまとめ買いの方が手堅いです。
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まとめ:DIYに向いている人・向いていない人
| DIYが向いている人 | 業者に任せた方がいい人 |
|---|---|
| 交換頻度が高い(ターボ車・軽自動車など) | 年に1〜2回のみ交換する方 |
| 複数台を管理している | 工具を揃える初期費用を回収できるか不明な方 |
| 車いじりを趣味にしている | 作業に不安がある・初めての方 |
| まとめ買いでオイルコストを下げたい | 廃油処理の手間をかけたくない方 |
初回作業に不安があれば、まずはカー用品店で一度作業を見学させてもらうとイメージが湧きます。あるいは「最初は業者に頼んで、2回目から自分でやる」という入り方もアリです。コストと手間を一度自分の体で経験してから判断した方が、後悔がありません。
DIYを続けていくなら、オイルのまとめ買いが効いてきます。当店のエンジンオイルはAPI SP/ILSAC GF-6A規格をクリアした100%化学合成油で、20Lのペール缶でも販売しています。市販の4L缶と比べると1Lあたり2割ほど安くなる計算なので、ターボ車や軽自動車で交換頻度が高い方、社用車を複数台抱えている方ほどメリットが出ます。
「自分の車に合う粘度がわからない」という方は、お問い合わせフォームから車検証の写真を送ってもらえれば、適合するオイルをこちらで確認してお返事します。
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