ピカールの使い方は、次の3手順です。
①フタを押さえて容器ごとよく振る
②柔らかい布に少量取って磨く
③別の乾いた布で拭き取る
うまく光らない、拭き取れない。そんなときは、まず付けすぎを疑うのが近道です。次に振り忘れ、広く塗りすぎ、の順で確かめます。
手順はピカール液とピカール エクストラメタルポリッシュで共通です。ただ、使える素材が違い、特にメッキの扱いは大きく異なります。
当店ではピカール エクストラを累計1,700本以上お届けし、お客様レビューは116件、平均★4.82。拭き取りのコツも、うまくいかなかった話も、そのレビューから拾っています。
ピカールの使い方は3手順|最初の「振る」を飛ばさない

解説によっては、「振る」が省かれていることもあります。振らずに使うと、研磨材が底に沈んだまま、上澄みで磨く形になります。
使う前の準備|水洗い・表面の確認・手袋と換気
トラックのホイールは、洗車したあとでも砂がリムのくぼみに残りがちです。磨く前にもう一度水で流しておけば、布で砂を引きずらずに済みます。泥や砂を先に水洗いする工程は、ピカール エクストラのラベルにも書かれています。
洗浄剤で下洗いしてからピカールで磨く、という使い方をしているお客様もいます。
磨く面に塗装やコーティングがないかは、この段階で確かめます。見分け方は後半の「素材別の注意点」にまとめました。
かぶれるおそれがあるので、保護手袋を着けて、換気の良い場所で作業してください。吸い込まない、口に入れない、子供の手の届かない所に置く、という点もラベルに書かれています。

ピカール エクストラは火気厳禁(危険物 第四類 第三石油類)です。ストーブや溶接の火花の近くでは使わないでください。
いろいろな場所を磨いていたお客様からは、作業の途中で手を滑らせて容器を破損した、という失敗談も届いています。油の付いた手袋は滑ります。容器は作業面から離して、倒れにくい所に置いておくと安心です。
布は2枚用意する|マイクロファイバーが向く理由
磨く用と拭き取る用で、布を分けます。1枚で通すと、拭くたびに研磨材と汚れを塗り直すことになります。
ラベルの指定は「柔らかい布」だけです。レビューには、最後にマイクロファイバーで仕上げたらピカピカになった、という声もありました。目の粗いタオルや硬いスポンジは、表面を引っかくので使いません。
拭き取り用の布が黒ずんだら、きれいな面に替えます。汚れた面で拭き続けても光りません。
手順① フタを押さえて容器ごとよく振る
エクストラの容器には攪拌ボールが入っています。ラベルの指示は、フタを押さえながら、中身が攪拌されるように振ることです。ピカール液も、メーカーが「フタをとる前に缶ごとよく振る」と案内しています。

フタを押さえる理由は、液の飛び散りです。開閉時や使用中に飛び散るおそれがある、とラベルに書かれています。
フタについては、保管のことを気にしていたお客様もいます。
「フタがぱちっとしまりません。使用後、保管するのに、乾燥しないか漏れないか心配です」
閉まりきらないまま勢いよく振れば、漏れます。振る前に、フタが奥まで締まっているかを指で確かめてから。
手順② 少量を布に取り、狭い範囲ずつ磨く
量は「少し足りないかな」くらいから。少量でも伸びが良く作業しやすい、というのがレビューでの評価です。

範囲は区切るのが基本です。ホイールならスポーク1〜2本分、燃料タンクなら側面を縦に3〜4つに分ける、といった具合です。区切った範囲ごとに「磨く→拭く」を終わらせてから、次へ移ります。
力は一定に、回数で稼ぐ。曇りが薄くなって金属の地肌が見えてきたら、その範囲は終わりです。
手順③ 別の乾いた布で拭き取る|乾かしてから?乾く前?
ラベルの指示は「別の柔らかい乾いた布でよく拭き取る」です。タイミングの指定はありません。
ここは使う人で分かれます。ステンレスとアルミの部品を磨いている方のレビューは、こうです。
「磨いてすぐ拭き取るのではなく、少し乾かしてから拭き上げると綺麗に拭き取れる気がしますね!」
トラックのアルミホイールに使っている方も、「乾いたあとの拭き取りやすさ」を挙げていました。一方で、乾く前に拭き取るよう勧める解説もあります。
狭い範囲で区切ってあれば、どちらでも拭き残しは出にくいものです。拭きムラが起きやすいのは、広く塗ったまま時間が経ち、一部だけ乾いてしまったときだと当店では考えています。拭いても筋が残るなら、少し乾かしてから拭き上げる方法を試してみてください。

【早見表①】ピカールの使い方|工程ごとのポイント
| 工程 | やること | 飛ばすと起きること |
|---|---|---|
| 準備 | 砂・泥を水洗い/表面処理を確認/手袋・換気 | 砂を引きずって傷になる。使えない表面を削ってしまう |
| ① 振る | フタを押さえ、容器ごとよく振る | 研磨材が底に残る |
| ② 磨く | 少量を布に取り、区切った範囲を一定の力で | 滑るだけで光らない。ムラや傷が出る |
| ③ 拭き取る | 別の柔らかい乾いた布で拭く | 拭き残しや白っぽい筋が残る |
ピカール液とエクストラ|使い方は同じ、使える素材が違う
ホームセンターでよく見かける缶入りは「ピカール液」です。当店で扱っているのは、硬質金属用の「ピカール エクストラメタルポリッシュ」だけです。
手順は同じで、違うのは対象とメッキの扱いです。
| 項目 | ピカール液 | ピカール エクストラ |
|---|---|---|
| 使用前 | フタをとる前に缶ごと振る | フタを押さえて容器ごと振る(攪拌ボール入り) |
| 主な対象 | 家庭の金物・アルミ・ステンレス・真鍮・銅など | ステンレス・クロームメッキ・鍛造アルミなどの硬質金属 |
| メッキ | メッキ加工品には使えない | クロームメッキは使える。それ以外のメッキは不可 |
| 使えないもの | 塗装・コーティング・金銀メッキなど | 塗装・コーティング等の表面処理品、貴金属、ヘアライン・ツヤ消し仕上げ |
液とエクストラを区別せずに説明している解説も見かけます。液の注意点をエクストラにそのまま当てはめると、使える面まで避けてしまいます。
チューブ入りのピカールケアーは液と同じ成分で、形が違うだけです。練り状のピカールネリは研磨材が粗く、頑固な汚れ向けです。製品ごとの違いはピカールの種類別の番手と粒径の一覧で比べられます。
ムラになる・拭き取れない・白く残る|症状別の原因と直し方
拭き取りに触れたレビュー10件のうち、苦労したと書いた方が1人いました。★5をつけた方の、短い一言です。
「やっぱり拭き取りが難しく大変苦労しました」
拭き取りでつまずいたときは、布を替えるより先に量を見直すのが当店のおすすめです。
付けすぎて、表面で滑っている
液が多いと、研磨材が金属に当たらず、布と一緒に滑ります。磨いても曇りが抜けず、拭き取る量だけが増えていきます。

布がぬるっとしていたら、付けすぎのサインです。乾いた布で余分を取ってから、磨き直します。拭き取り用の布は、黒ずんだ面を使い続けないこと。それでも筋が残るなら、少し乾かしてから拭き上げます。拭き取りに苦労したら、次は量を半分にして試してみてください。
溝やすき間に入り込み、白く残る
細かい溝・すき間・穴に入ると拭き取れない場合がある、とラベルに書かれています。入ったら取りきれないもの、と考えておくほうが無難です。

エンブレムの縁やボルト穴の周りは、先にマスキングテープで養生しておきます。溝の近くは布に付ける量を減らし、液を押し込まないように磨きます。入ってしまっても、硬い物でかき出すのはやめてください。周りの面に傷が付きます。
振らずに使っている
手順①のとおり、研磨材が底に残ったままです。曇りがいつまでも取れないなら、磨く手を止めて振り直すところから。
一度に広く塗り、乾き方がばらついている
最初に塗った所から乾いていくので、乾いた所と湿った所が混ざります。手順②の区切り方に戻せば、拭き上がりがそろってきます。
深い傷が消えないのは、手順ではなく番手の問題
エクストラは番手目安#8000の超微粒子です。一度に削れる量がわずかなので、手順が正しくても深い傷は消えません。段階の踏み方はピカールで鏡面にならない原因と番手の選び方で解説しています。
【早見表②】症状別の原因と直し方
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 拭いても筋が残る(当店レビューで出た不満) | 付けすぎ/拭き取り布が汚れている | 余分を取って量を減らす。布のきれいな面に替え、少し乾かしてから拭き上げる |
| 磨いても曇ったまま | 付けすぎ/振っていない | 余分を拭って少量で磨く。振り直す |
| 溝・すき間が白く残る | 液が入り込んだ | 先に養生する。溝に液を押し込まない |
| ムラになる | 広く塗った/力が強すぎる | 範囲を区切る。力は一定に、回数で稼ぐ |
| 深い傷が消えない | 番手が細かすぎる | 粗い番手から段階を踏む |
| 傷が増えた | 砂が残っていた/強くこすった | 水洗いからやり直す。力を抜く |
素材別の注意点|使う前に表面を確かめる
使えるかどうかは、素材よりも表面の仕上げで決まります。一番外側に何があるかを見てください。

【早見表③】ピカール エクストラが使える表面・使えない表面
| 表面 | 判定 | 例・補足 |
|---|---|---|
| ステンレス(素地) | ○ | タンク・マフラーなど |
| ステンレスのヘアライン・ツヤ消し仕上げ | × | 研磨で筋目やツヤ消しが失われる |
| アルミ(素地・鍛造) | ○ | 素地のアルミホイールなど |
| アルミのアルマイト処理・クリア塗装 | × | 処理層を削ってしまう |
| クロームメッキ | ○ | 硬質クロームの部品など |
| 装飾クローム | △ | バンパーなど外装のメッキ。目立たない場所で試してから |
| クローム以外のメッキ | × | 金・ニッケル・亜鉛など |
| 塗装・コーティング面 | × | 車のボディなど |
| 貴金属 | × | 金・銀の製品など |
素材ごとの判断基準をもっと詳しく知りたい方は、金属磨きの選び方と素材別の判断基準をご覧ください。
アルミホイールを磨く場合
磨く前に、塗装されていないかを確かめるところから始めます。素地のアルミなら磨けます。クリア塗装やアルマイト処理がされていたら使えません。判断がつかないホイールは、磨かないのが安全です。
レビューで最も多かったのは、トラックやダンプ、バスなど大型車のホイールに使ったという声でした。
シンク・キッチンまわり
ステンレスのシンクにも使えますが、仕上げを見てから。一方向に細い筋が入ったヘアライン仕上げやツヤ消しは、磨くと筋目が消えて見た目が変わります。表面にコーティングが施されたシンクにも使えません。シンクのメーカーによっては、取扱説明書で研磨剤の使用を避けるよう案内していることもあるので、先に確認しておくと安心です。
長年使ったシンクを初めて磨いて満足した、というお客様もいます。磨いた後は中性洗剤で洗い、洗剤を水で十分に流してから、水気を拭き取っておきます。
シンクがヘアライン仕上げかどうかの見分け方と、水あか・石けんカスを研磨せずに落とす方法は、ステンレスの磨き剤は仕上げで選ぶ(ヘアラインは筋模様が消える)で解説しています。
クロームメッキ
クロームメッキには使えます。ただ、バンパーなど車の外装のメッキは、層の薄い装飾クロームであることが多いので、いきなり本番の面を磨かず、目立たない場所で試してからにしてください。マフラーエンドは、メッキではなくステンレスの製品もあります。メッキの見分け方は、ピカールとブルーマジックの違いと金属別早見表で詳しく解説しています。
磨いた後にやること|保管・ウエスの処分・保護
保管はフタを閉めてから。避けたいのは40℃以上になる場所と直射日光で、夏場の車内や日の当たる棚がそれに当たります。
使い終わったウエスは、水に浸してから捨てるのが安心です。東京消防庁は、オイルを拭き取った布や紙を丸めたり重ねたりして放置すると、酸化による熱で自然発火することがあるとして、水にしっかり浸してから捨てるよう案内しています。この案内が主に想定しているのは動植物油で、鉱油や石油系溶剤を含むピカール エクストラにも同じ危険があるとは書かれていません。それでも可燃性の液体が染みた布なので、当店では念のため、水に浸して処分することをおすすめしています。
ピカール エクストラには、コーティングや保護の機能がありません。以前使っていたものの方が艶と水弾きが良かった、という声もあります。
表面を守りたい場合は、シリコン被膜が残るブルーマジックと組み合わせる方もいます。使う順番はメーカーが決めていません。ブルーマジック側の手順はブルーマジックの使い方とホイール磨きの手順にあります。
当店の販売データで見るピカール エクストラの使われ方
累計1,700本以上をお届けしてきました。レビューは116件で平均★4.82、内訳は★5が100件、★4が11件、★3が5件で、★2以下は1件もありません。使われている場面では、ホイールに触れたものが22件、トラック・ダンプ・バスなど大型車に触れたものが18件です(両方に触れたレビューもあります)。
トラックのアルミの燃料タンクとエアータンクを磨いた方は、こう書いています。
「手作業なので時間がかかりましたが、磨く前と全く違う仕上がりでした」
拭き取りに触れたレビューは10件でした。10件中9件は拭きやすさを評価していて、残る1件は前の章で紹介した声です。
使えない面があることは、先に確認しておいてください。ヘアライン仕上げのステンレスや塗装面は対象外です。
購入前の注意点・こんな方には向きません
いちばん大きいのは、深い傷を1本では消せないことです。番手目安#8000の超微粒子なので、爪が引っかかるほどの傷を消す力はありません。素地のステンレスやアルミなら、より粗い研磨から段階を踏めば消せることもあります。クロームメッキなどのメッキ面は層が薄いので、研磨では直せません。
次が保護機能です。磨いた後の艶を長持ちさせたいなら、別に保護剤が要ります。
仕上がりについては、★3でこんな評価がありました。「本当のピカールの方が艶は出る気がしますがこちらは柔らかく使いやすいです」。この方も、扱いやすさは評価しています。大型車の広い面を手作業で仕上げるには時間がかかることも、知っておいてください。
トラックのアルミホイールを手で光らせたい方に向いています。レビューでもいちばん多い使い方です。
よくある質問
振ってください。エクストラに攪拌ボールが入っているのは、そのためです。ピカール液も同じです。
メーカーの指定はありません。狭い範囲で区切っていれば、どちらでも大丈夫です。当店の考え方は「手順③」にまとめています。
使えません。液もエクストラも、塗装面は対象外です。
製品によって違います。ピカール液については、メーカーがQ&Aで対処法を案内しています。灯油か水を少量入れてよく振り、液状に戻らなければ使えない、という内容です。エクストラの対処法は公表されていません。固まったエクストラは無理に使わず、メーカーに問い合わせるのが確実です。
ピカール液については本当です。エクストラはクロームメッキに使えますが、装飾用のクロームは試し磨きが要ります。金・ニッケル・亜鉛などのメッキには、どちらも使えません。
まとめ
振る・磨く・拭き取る。手順は3つだけです。
うまくいかないときは、付けすぎ→振り忘れ→広く塗りすぎ→溝への入り込み、の順に確かめるのが当店の推奨です。
表面処理が分からないものは磨かない。クロームメッキは、裏側で一度試してから。ほかの金属磨きとの比較も含めて選びたい方は、金属磨きの選び方と素材別の判断基準も参考にしてください。


