パーツクリーナーでプラスチックが溶ける?危険な素材5種と安全な脱脂方法

パーツクリーナーでプラスチックが溶ける?危険な素材5種と安全な脱脂方法

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パーツクリーナーでプラスチック部品を洗浄しようとしたら、変形してしまった――そんな経験はありませんか?結論から書くと、パーツクリーナーは多くのプラスチックを溶かします。特にABS樹脂・ポリカーボネート・スチロール樹脂などは、一度噴射しただけで白化や変形が起こることもあります。

この記事では、パーツクリーナーで溶ける危険性が高いプラスチック素材を一覧で整理し、ブレーキ&パーツクリーナーの落とし穴、そしてシリコンオフを使った安全な脱脂方法までまとめました。

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パーツクリーナーでプラスチックが溶ける?使用NG素材とは

パーツクリーナーは、機械部品の油汚れやグリスを強力に落とす洗浄剤として、整備現場やDIYで広く使われています。一方で、その強力な洗浄力ゆえに、プラスチック部品に使用すると変形や劣化を引き起こすことがあります。

この章では、パーツクリーナーの成分や特性、プラスチックへの影響、使用NG素材を順に整理します。

パーツクリーナーとは

パーツクリーナーは、主に有機溶剤を主成分とした洗浄剤です。代表的な成分はヘキサン、トルエン、キシレン、アセトンなどで、油汚れやグリスを素早く溶解する力を持ちます。同時にプラスチックを溶かす・劣化させる作用もあわせ持っているため、対象物を選ぶ製品です。

製品の種類も豊富で、速乾性・洗浄力・引火性・安全性などが製品ごとに違います。逆さ噴射対応、ノズル付属、ゴム・樹脂への影響を抑えたタイプなど、用途に応じて選ぶことになります。

パーツクリーナーはプラスチックが溶けるため使用不可

パーツクリーナーの主成分である有機溶剤は、多くのプラスチックに対して攻撃性を示します。特にPS(ポリスチレン)、ABS樹脂、AS樹脂、スチロール樹脂は、噴射するだけで溶解・ひび割れ・変形が起きやすい素材です。

これらの素材で作られた部品にはパーツクリーナーを使わないでください。使用前に対象パーツの素材を確認するのがいちばんの予防策です。

パーツクリーナーの使用を避けたいパーツや素材

パーツクリーナーは金属部品の洗浄には効果的ですが、プラスチック部品・ゴム部品・塗装面には使わないほうが無難です。下表に主な使用NG素材と影響をまとめました。

素材 影響
PS(ポリスチレン) 溶解、変形
ABS樹脂 溶解、変形、白化、ひび割れ
AS樹脂 溶解、変形、白化、ひび割れ
スチロール樹脂 溶解、変形
アクリル樹脂 クラック、白濁
ポリカーボネート樹脂 クラック、白濁
ゴム 劣化、硬化、膨潤
塗装面 剥がれ、変色



プラスチックに使用する人もいるが自己責任

ネット上では、プラスチック部品にパーツクリーナーを使っている事例も見かけます。これはあくまで自己責任の範囲です。

前述のとおり、パーツクリーナーはプラスチックを溶かす作用があるため、思わぬ部位の損傷につながります。高価なパーツや、安全性に直結するパーツへの使用は避けてください。

どうしてもプラスチック部品の脱脂をしたい場合は、中性洗剤を薄めた液や専用クリーナーを使うか、プラスチックへの影響を抑えたタイプのパーツクリーナーを目立たない部分でテストしてから使う、という慎重な進め方になります。

ブレーキ&パーツクリーナーという製品名に要注意

「ブレーキ&パーツクリーナー」という製品名を見ると、ブレーキ周りはもちろんその他の部品にも使える万能クリーナーのように思えるかもしれません。実際の使用範囲は、その名前から想像するより限定されています。ブレーキ周りの洗浄に効く成分は、ゴムやプラスチック、塗装面には悪影響を及ぼすことがあるためです。

パーツクリーナーとブレーキパッドとの相性が×

ブレーキ&パーツクリーナーには、ブレーキダストや油汚れを強力に落とすため特定の化学物質が含まれていることがあります。これらはブレーキパッドの材質と相性が悪く、パッドの性能低下や寿命短縮の原因になることがあります。

特にノンアスベスト系のブレーキパッドは化学物質の影響を受けやすいといわれています。ブレーキパッド付近で使う際は、製品の成分表示とブレーキパッドメーカーの推奨を必ず確認してください。

万が一ブレーキパッドにパーツクリーナーが付いてしまった場合は、速やかに水で洗い流すのが基本です。

ブレーキ&パーツクリーナーの使用推奨パーツは?

ブレーキ&パーツクリーナーが向いているのは、主に金属製のブレーキ部品です。ブレーキキャリパー、ブレーキローター、ブレーキドラムなど、ブレーキダストや油汚れがたまりやすく、洗浄が必要な箇所が中心になります。

一方、ゴム製のパーツや塗装面は避け、専用クリーナーを使うのが安全です。具体的な使用可否と代替クリーナーは下表のとおりです。

パーツ ブレーキ&パーツクリーナーの使用 注意点 代替クリーナー
ブレーキキャリパー ゴム部品、塗装面への付着に注意 ブレーキクリーナー
ブレーキローター/ドラム ブレーキパッドへの付着に注意 ブレーキクリーナー
ブレーキホース(金属製) 接続部からの液漏れに注意 ブレーキクリーナー
ホイール(金属製) △(材質による) 塗装面、クリアコートへの影響に注意。アルミホイールは変色することも。 ホイールクリーナー
ブレーキパッド × パッドの材質によっては性能低下、寿命短縮の可能性あり 中性洗剤、水
ゴム部品(ブーツ、シールなど) × 劣化、亀裂、膨潤の可能性あり ゴム保護剤
塗装面 × 塗装剥げ、変色の可能性あり カーシャンプー

ブレーキ部品を洗浄するならブレーキクリーナーが基本です。ブレーキ部品に特化して開発されているため、ブレーキ性能への影響を抑えやすく、ゴムやプラスチックへの影響も少なめに作られています。


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プラスチックの脱脂をしたい場合はどうする?

パーツクリーナーがプラスチックに向かないとなると、ではプラスチック部品の脱脂はどうやればいいのか、という話になります。安全に脱脂する方法を整理します。

プラスチックの脱脂にはシリコンオフがおすすめ

プラスチックの脱脂には、シリコンオフ(シリコンリムーバー)が向いています。プラスチックをはじめ、ゴム・金属・塗装面など幅広い素材に使え、油分・ワックス・シリコンを効果的に除去します。

主成分はヘキサンなどの炭化水素系溶剤で、速乾性も高く作業効率がよいのが特徴です。カー用品店やホームセンターで手軽に入手できます。

使う際の注意点として、素材によっては変色や劣化が起きることがあるので、目立たない場所でテストしてから本作業に入ってください。換気と火気厳禁も、パーツクリーナーと同じく必須です。

パーツクリーナーとシリコンオフの違い

パーツクリーナーとシリコンオフはどちらも脱脂剤ですが、成分や用途は別物です。違いを表にまとめました。

項目 パーツクリーナー シリコンオフ
主成分 有機溶剤(アセトン、トルエン、キシレンなど) 炭化水素系溶剤(ヘキサンなど)
用途 金属部品の油汚れ、グリス、ブレーキダストなどの除去 プラスチック、ゴム、金属、塗装面の油分、ワックス、シリコンなどの除去
プラスチックへの影響 溶解、変色、劣化のリスクあり 素材によっては変色や劣化の可能性はあるが、比較的影響は少ない
価格 比較的安価 やや高価
入手性 ホームセンター、カー用品店などで容易に入手可能 ホームセンター、カー用品店などで容易に入手可能

パーツクリーナーは強力な洗浄力を持つ反面、プラスチックを溶かすリスクがあります。シリコンオフはプラスチックにも比較的安全に使える分、価格はやや上です。プラスチック部品の脱脂はシリコンオフ、というのが基本の使い分けになります。

そのほか、プラスチックの脱脂には中性洗剤を薄めた液や、無水エタノールも使えます。中性洗剤は油汚れを落としやすく、無水エタノールは樹脂への攻撃性が低めです。素材によっては変色や劣化が起きることもあるので、こちらも目立たない場所でテストしてからにしてください。脱脂後は残留物が残らないようしっかり拭き取りましょう。

パーツクリーナーとプラスチックに関するよくある質問

Q. パーツクリーナーでプラスチックは本当に溶けますか?

はい、溶ける可能性があります。パーツクリーナーの主成分であるヘキサン、トルエン、キシレン、アセトンなどの有機溶剤は、多くのプラスチックに対して攻撃性を持ちます。特にPS(ポリスチレン)、ABS樹脂、AS樹脂、スチロール樹脂は溶解や変形のリスクが高い素材です。

Q. パーツクリーナーを使ってはいけない素材は何ですか?

PS(ポリスチレン)、ABS樹脂、AS樹脂、スチロール樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂は溶解・変形・白濁のリスクがあります。ゴム部品は劣化・硬化・膨潤、塗装面は剥がれや変色を起こすことがあるため、これらへの使用は避けてください。

Q. プラスチック部品の脱脂にはどんな製品を使えばいいですか?

プラスチックの脱脂にはシリコンオフ(シリコンリムーバー)が向いています。主成分がヘキサンなどの炭化水素系溶剤で、プラスチックやゴム、塗装面にも比較的安全に使えます。中性洗剤を薄めた液や無水エタノールも代替手段になります。

Q. ブレーキ&パーツクリーナーはどこにでも使えますか?

使用範囲は限定されます。金属製のブレーキキャリパー、ブレーキローター、ブレーキドラムには使えますが、ブレーキパッド・ゴム部品・塗装面への使用は避けてください。特にノンアスベスト系のブレーキパッドは化学物質の影響を受けやすいため要注意です。

Q. パーツクリーナーとシリコンオフの違いは何ですか?

パーツクリーナーはアセトンやトルエンなどの強力な有機溶剤が主成分で、金属部品の油汚れやグリス除去に向きます。一方、シリコンオフはヘキサンなどの炭化水素系溶剤が主成分で、プラスチックやゴムにも比較的安全に使える脱脂剤です。プラスチック部品の脱脂にはシリコンオフが適しています。

Q. どうしてもプラスチックにパーツクリーナーを使いたい場合はどうすればいいですか?

まず目立たない部分で少量テストし、変色や変形がないか確認してから使ってください。ただし、これはあくまで自己責任です。高価なパーツや、安全性に直結するパーツへの使用は避けてください。安全を優先するなら、中性洗剤やシリコンオフなどプラスチック対応の製品を選ぶのが無難です。

まとめ:パーツクリーナーは素材で選ぶ

パーツクリーナーは油汚れを落とすには非常に便利ですが、プラスチックに使うと溶解・変形・白化が起こります。これは強力な有機溶剤がプラスチックの成分を分解するためです。「ブレーキ&パーツクリーナー」という製品名であっても、プラスチック部品への影響は同じと考えてください。

金属部品の洗浄にはパーツクリーナー、プラスチック・ゴム・塗装面への脱脂にはシリコンオフ――この使い分けを押さえれば、部品を傷めず安全に作業を進められます。


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この記事の執筆者 : 福塚鉄也(株式会社えびすツール 代表取締役)

福塚鉄也

株式会社えびすツール代表。整備消耗品・工具・ケミカル類の通販事業を運営し、整備工場・運送業者・建設業者・タクシー会社など、業務利用のお客様向けに商品を提供しています。日々の取引のなかでお取引先から寄せられるご相談・ご要望をもとに、現場で本当に必要とされる商品の選定・調達に取り組んでいます。

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