台風の車対策|飛ばされる風速は何m/s?固定方法も解説

台風の車対策|飛ばされる風速は何m/s?固定方法も解説

目次

台風が接近するたび、駐車場の車が気になって夜中に何度も窓の外を見てしまう――そんな経験はないでしょうか。

先に数字だけ押さえておくと、普通車が横転するのは風速40m/s以上、軽自動車でも35m/s以上が一つの目安です。「強い台風」クラスでも中心付近の最大風速は33〜43m/sですから、直撃でなければ車が飛ばされる可能性はそこまで高くありません。ただし、ビル風や地形の加速で局所的に風速が跳ね上がるケースは実際に起きているので、「うちは大丈夫」とは言い切れないのが台風の厄介なところです。

この記事では、風速ごとの危険度早見表から、事前にやるべき固定方法、バイクや屋外の物の備え、やってはいけないNG例まで、台風前に目を通しておきたい内容をまとめました。

台風で車は飛ばされるのか?風速別の危険度

台風のニュースで「最大瞬間風速50m/s」と聞くと身構えますが、実際に車に何が起きるかは風速の段階で大きく変わります。

風速と車への影響の早見表

風速(m/s) 車への影響 台風の分類(目安)
20〜25 ドアが風にあおられる。横風でハンドルを取られる 台風の暴風域(25m/s以上)の入口
25〜30 走行中の車が横にずれる。軽自動車は走行が困難に 台風の暴風域内
30〜35 停車中の軽自動車・バイクが動き始める可能性 強い台風(33m/s〜)の範囲
35〜40 軽自動車は横転のリスク。トラックの横転事故が発生しやすい 非常に強い台風(44m/s〜)に近づく
40〜50 普通車も横転の可能性。小型車は数メートル動く 非常に強い〜猛烈な台風
50以上 大型車も横転。車が吹き飛ばされる映像はこのレベル 猛烈な台風(54m/s〜)

ポイントは風速35m/sのラインです。それ以下なら「ドアの開閉に注意すれば停車中は大丈夫」ですが、35m/sを超えると軽自動車やバイクは動き出すリスクが出てきます。ニュースの予報で「最大瞬間風速35m/s以上」と出たら、駐車中の車にも対策が必要だと考えてください。

ただしこの表はあくまで平坦な場所での目安です。海沿い、ビルの谷間、山間部の吹きおろしなどでは局所的に風速が1.5〜2倍に加速することがあり、「発表値は30m/sなのに実際は50m/s近い」というケースが起きています。

軽自動車とバイクが圧倒的に弱い

車に働く風圧は、ごく大まかに「受風面積×風速の2乗」に比例します。車体が軽いほど、そして風を受ける面が大きいほど危険です。

車種 重量の目安 リスクが高まる風速 備考
軽自動車 700〜1,000kg 35m/s〜 最もリスクが高い。箱型のスーパーハイトワゴンは特に注意
コンパクトカー 1,000〜1,300kg 40m/s〜 軽より安定するが油断禁物
セダン・SUV 1,300〜2,000kg 45m/s〜 重量があり比較的安定
バイク(停車中) 150〜300kg 25〜30m/s 自立していないため最も倒れやすい
自転車 10〜20kg 15〜20m/s 固定しなければ確実に飛ぶ

バイクは車とは比較にならないほど弱く、暴風域に入った時点でスタンド駐車は持たないと考えた方がいいです。

台風前にやるべき車の対策

ここからは具体的な対策に入ります。

台風のとき車はどこに置く?

対策の中で最も効果が大きく、お金もかからないのが「どこに停めるか」です。

理想は屋内駐車場やシャッター付きガレージ。自宅にない場合でも、近隣の立体駐車場に一時避難させるのは十分ありです。台風通過は通常1〜2日なので、一時利用の駐車場代は数千円程度。車両の修理費と比べれば安いものです。

屋外しか選択肢がない場合は、建物の風下側に寄せてください。風上に建物が壁になるように停めるだけで、受ける風圧がかなり変わります。逆に避けたいのは、看板・トタン屋根・古い樹木など、飛来物になりそうなものの近くです。川沿い・海沿い・崖の下は浸水や土砂のリスクがあるので、高台で風が通りにくい場所がベストです。

パーキングブレーキとギア、やっておくこと

基本中の基本ですが、意外と見落としがあるので確認しておきます。

パーキングブレーキは確実に引くこと。電動式は自動でかかりますが、手動式は引きが甘いと台風の風圧でジリジリ動く可能性があります。MT車はローギアかバックギアに入れる。AT車はPレンジに入れたうえでパーキングブレーキも併用してください。輪止め(タイヤストッパー)があれば前後に噛ませるとさらに安心です。

ベルトで車体を地面に固定する

屋外駐車場で、強い台風が来ることがわかっている場合の物理的な対策です。トラックの荷締めに使うラッシングベルトが、実は台風対策にもそのまま使えます。

やり方はシンプルで、ベルトをホイールのスポーク穴に通し、地面のアンカー(フェンスの支柱・コンクリートブロック・地中杭など)に固定するだけです。

気をつけたいポイントは3つ。まず、ベルトはホイールに通すこと。ボディにかけると塗装に傷がつきます。次に、前後2本以上を使い、車体が前後左右に動かないようクロスさせて張ること。そして、ラチェット式(ガッチャ)のベルトを使うこと。手で強いテンションがかけられ、ロープのように結び目が緩む心配がありません。

ここで重要なのがベルトのタイプ選びです。一般的なラッシングベルトはフック付きですが、台風対策ではフックを掛ける先がないケースがほとんどです。ベルト端がループ状になった「ワッカタイプ(Iフック)」なら、柱やフェンスに巻き付けてループに通すだけで固定できるので、掛け先を選びません。

当店の購入者レビューでも「庭先の物が風で飛ばないように固定したいだけ。価格の割になかなかしっかりしたものが届いた」という声があり、まさにこうした台風前の備えとして購入されている方がいます。

ラッシングベルトの各タイプ(フック・レール・ワッカ)の違いはラッシングベルトのタイプ別の特徴と違いで詳しく解説しています。


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カーカバーは使い方を間違えると逆効果

カーカバーは飛来物による傷防止には有効ですが、固定が甘いと風をはらんでパラシュートのようになり、車を引きずったり、カバーが飛ばされて周囲の迷惑になります。

使うなら裾をベルトや紐でしっかり車体に巻き締めてください。車体の下を通して前後で結ぶのが確実です。風速30m/sを超える予報が出ているなら、ゴム留めだけのカバーは外してしまった方が安全です。

バイク・自転車の台風対策

バイクの固定方法

バイクは車以上に台風に弱い乗り物です。暴風域(風速25m/s以上)に入れば、サイドスタンドの自立はまず持ちません。

最善はガレージや屋内への退避です。それができない場合は、ベルトで固定します。柱・フェンス・重量物にワッカタイプのラッシングベルトで車体をくくり付けてください。ハンドルロックをかけたうえで、フレームやハンドルバーにベルトを通し、2〜3箇所で固定します。車体への傷を防ぐため、ベルトが当たる部分にはウエスや布を挟んでおくこと。

「あえて倒しておく」という方法もネット上ではよく見かけます。ただ、倒した状態で風に引きずられたり、オイル漏れが起きたり、起こすときに別の破損が出たり、とリスクは意外と多いです。固定する手段があるなら、立てたまま固定する方が安全です。

自転車は室内に入れる

自転車は軽すぎるので、屋外での固定はほぼ意味がありません。玄関・廊下・ガレージなど室内に入れてください。どうしても屋外に置くしかない場合は、倒した状態でフェンス等にベルトや紐で結びつけておくのが次善策です。

屋外に置いてある物の飛散対策チェックリスト

車の対策だけでなく、敷地内の屋外物が飛ばされると自分の車や近隣への加害者になることもあります。台風前に一度ぐるっと敷地を見回して、以下のリストと照らし合わせてみてください。

対象 対策 優先度
物置(固定されていないもの) ベルトやワイヤーで地面・壁に固定。中に重量物を入れる
エアコン室外機 架台のボルト増し締め。転倒防止ベルトを追加
植木鉢・プランター 室内に移動。無理なら地面に下ろしてまとめる
ゴミ箱 室内に移動。集積所のネットも固定を確認
看板・のぼり旗 撤去が原則。外せない場合はベルトで固定
倉庫前のパレット・資材 重ねてベルトで固定。バラ置きは飛散の原因 高(事業者向け)
屋外保管のタイヤ 横積みにしてベルトで束ねる。タイヤ保管袋に入れるとまとめやすい

屋外に保管しているタイヤは、台風に限らず紫外線や雨による劣化も気になるところです。タイヤの保管方法と保管袋・置き方の選び方も合わせて確認してみてください。

台風対策に使えるベルトの選び方

ここまで何度か「ベルトで固定」と書いてきたので、具体的にどんなベルトを選べばいいのか整理します。

ロープやゴムバンドではなくラッシングベルトを使う理由

台風対策の固定具として思いつくのはロープ・ゴムバンド・ラッシングベルトの3つですが、ラッシングベルト(ラチェット式)が最も確実です。

ロープは結び目が緩みやすく、台風の風圧で振動し続けると時間とともに張力が抜けていきます。ゴムバンドは伸縮する分テンションが安定しません。ラチェット式は金属の歯車機構で段階的にテンションをかけるので、一度締めたら振動で緩むことがほぼない。この「放っておいても緩まない」という点が、暴風の中で何時間も耐えなければいけない台風対策では決定的な差になります。

当店では累計2,500本以上のラッシングベルトをプロ・個人のお客様にお届けしています。販売の約4割はフックタイプでトラックの荷締め用途が中心ですが、ワッカタイプも約1.5割を占めており、引越しや屋外固定など「フックの掛け先がない場所」で選ばれています。

どの長さを何本買えばいい?

台風対策で選ぶならワッカタイプ(Iフック)です。端がループになっているため、柱・フェンス・ブロックなど形状を問わず巻き付けて固定できます。

長さと本数の目安はこのあたりです。車の場合はホイールからアンカーまでの距離に余裕を足して、5m〜7mを1台あたり2本。バイクなら3m〜5mを2〜3本。物置やエアコン室外機は3m〜5mを1〜2本。

あくまで目安なので、不安なら多めに用意しておいた方がいいです。当店の購入者レビューにも「ベルトの厚みが思ったより薄かった。ガチガチに固定しないといけない場合は少し不安」という声がありました。1本で心もとなければ2本並行で使うか、幅50mmの厚手タイプを選んでください。逆に、植木鉢をまとめて縛る程度なら幅25mmの薄手タイプで十分です。

レビュー70件超・平均★4.5の評価をいただいているラッシングベルトは下記からご覧いただけます。


レビュー70件超・★4.5
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台風が過ぎたら洗って巻いてしまうだけ

ラッシングベルトはポリエステル製なので、使い捨てにする必要はありません。台風後に濡れていたら水洗いして乾燥させれば繰り返し使えます。ラチェット部分(金属)に砂が噛むと動きが硬くなるので、真水でざっと流して乾かしてください。

ベルトが絡まったまましまうと次に使うとき地味にストレスなので、ラッシングベルトの外し方と取り扱いの注意点を参考に、きれいに巻いてから保管するのがおすすめです。

やってはいけない台風対策

ロープだけで固定して安心しない

ロープは正しく結べば強度は十分出ます。問題は「正しく結べる人が少ない」ことと、台風の風は一定方向ではなく風向きがころころ変わりながら振動をかけ続けるという点です。結びが甘ければ数時間で緩み、むしろ中途半端に飛ぶロープが飛散物として危険になります。ロープを使う場合でも、ラチェットベルトや張線器を併用して締め上げた方がいいです。

養生テープの「×印」、過信は禁物

窓ガラスに養生テープを×印に貼る対策は広く知られていますが、あれは飛来物がガラスを貫通するのを防ぐものではありません。テープの役割は、割れたあとの破片の飛散を減らすこと。窓ガラスそのものを守りたいなら、雨戸を閉める、飛散防止フィルムを貼る、外側からベニヤ板で覆う、のいずれかです。テープを貼ったからといって「窓は大丈夫」と思ってしまうのが一番危ない、ということだけ覚えておいてください。

暴風が来てから車を移動するのは最悪手

「駐車場が心配だから別の場所に動かそう」という気持ちはわかりますが、暴風域に入ってからの運転は本当に危険です。横風で車線を逸脱する、冠水した道路でエンジンが水を吸って停止する――こうした事故は毎年起きています。

対策は風が強くなる前に終わらせるのが大原則です。台風の進路予報が出たら、上陸の24時間前には駐車位置の移動とベルト固定を済ませてください。

よくある質問

Q. 台風で車が飛ばされたり傷ついたら保険は使える?
車両保険に加入していれば、台風による損害は「自然災害」として補償の対象になるのが一般的です。飛来物による傷、横転、浸水のいずれも該当します。ただし免責金額の設定や約款は保険会社ごとに違うので、台風シーズン前に自分の契約内容を一度確認しておいてください。なお、自賠責保険のみでは補償されません。
Q. マンションの平置き駐車場ではどんな対策ができる?
管理組合の規約で地面にアンカーを打てないケースが多いため、正直なところできる対策は限られます。パーキングブレーキの確認、周囲の飛来物になりそうな物(ゴミ箱など)の移動、カーカバーを裾まで固定して使う、あたりが現実的なラインです。可能であれば台風前だけ近隣の屋内駐車場に一時退避させるのが確実です。
Q. ベルトで固定すると車に傷がつかない?
ホイールのスポーク穴にベルトを通す方法であれば、ボディには触れないので傷はつきません。やむを得ずボディ側を通す場合は、当たる箇所にウエスや布を挟んでください。ラッシングベルトの締め方や養生のやり方はラチェット式ラッシングベルトの締め方手順にまとめてあります。
Q. 台風の何時間前から準備すべき?
上陸の24時間前が一つの目安です。台風の進路予報は72時間前から出ますが、24時間前になると予報円が小さくなり、自分の地域が暴風域に入るかの判断がつきやすくなります。ベルトの取り付けや車の移動は風が弱いうちにしかできないので、「まだ大丈夫だろう」は禁物です。
Q. 賃貸の駐車場でアンカーが打てない場合は?
地面に杭を打てない場合は、既存の構造物をアンカー代わりに使います。駐車場のフェンス支柱、コンクリートブロック塀、建物の柱など、頑丈で動かないものを探してください。ワッカタイプのラッシングベルトなら、ループを柱に巻き付けるだけで掛け先を確保できるので、フックを引っ掛ける穴やフレームがなくても使えます。


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この記事の執筆者 : 福塚鉄也(株式会社えびすツール 代表取締役)

福塚鉄也

株式会社えびすツール代表。整備消耗品・工具・ケミカル類の通販事業を運営し、整備工場・運送業者・建設業者・タクシー会社など、業務利用のお客様向けに商品を提供しています。日々の取引のなかでお取引先から寄せられるご相談・ご要望をもとに、現場で本当に必要とされる商品の選定・調達に取り組んでいます。

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公式ブログでは、整備消耗品を扱う事業者の立場から、お取引先の現場で実際に話題になる「失敗しない資材選び」や「コスト削減・業務効率化のヒント」をわかりやすくお届けします。

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