ウォッシャー液の凍結対策と捨て方|冬前にやるべき入れ替え手順

ウォッシャー液の凍結対策と捨て方|冬前にやるべき入れ替え手順

目次

タンクやノズルが凍ると、修理が必要になることがある

雪や融雪剤でフロントガラスが汚れた朝、ウォッシャーを作動させても何も出てこない——これはタンク内またはノズルでウォッシャー液が凍結しているサインです。

液が出ないだけなら解凍すれば済みますが、凍結がひどい場合はタンク・ホース・ノズルが破損することがあります。無理に作動させるとポンプが焼き付くケースもあります。冬前に対策を済ませておくのが確実で、この記事ではその方法と、凍結してしまったときの対処法、古い液の捨て方をまとめます。

なぜ凍結するのか——原因は3パターン

寒冷地用でないタイプを使っている

ウォッシャー液には凍結温度の異なる種類があります。一般用は凍結温度が-2℃前後で、温暖な地域向けの設計です。東北・北海道・山間部など、気温が-10℃以下になる地域では力不足で、お住まいの地域の最低気温に対応した寒冷地用に切り替えることが凍結防止の根本的な解決策です。

希釈しすぎている

希釈タイプのウォッシャー液は水で薄めて使いますが、水の割合が多すぎると不凍成分が薄まり凍結温度が上がります。冬場はパッケージに記載された冬用の希釈比率を守る必要があります。夏と同じ濃度で使い続けていると、冬に凍結します。

水道水で補充している

水道水には不凍成分が入っていません。液が減るたびに水道水で補充を繰り返すと、タンク内の不凍成分がどんどん薄まっていきます。水道水の補充と凍結リスクの関係は「ウォッシャー液の代用品|水道水は使える?自作の作り方も解説」でも詳しく解説しています。

冬前にやっておくべきこと

気温が本格的に下がる前——目安は10〜11月——に寒冷地用ウォッシャー液へ切り替えておくことが、凍結トラブルを防ぐ最も確実な方法です。当店(えびすツール)の受注データでも、10〜11月にウォッシャー液の注文が増える傾向があります。寒くなってから慌てて替えようとしても、すでにタンク内が凍りかけているケースが出てきます。

切り替えのタイミングでタンク内に夏用(一般用)の液が残っている場合は、ウォッシャーを繰り返し作動させて使い切ってから寒冷地用を入れるのが理想です。完全には空にならないため、残量が少なくなったところで寒冷地用を入れ、数回作動させて古い液を押し出す方法が現実的です。

希釈タイプを使っている場合は、冬用の希釈比率(水の割合を減らす)で作り直してください。「なんとなく去年と同じで」というまま使い続けていると、夏の濃度のまま冬を迎えることになります。

凍結してしまったときの対処

やってはいけないこと

凍結したタンクやノズルに熱湯をかけるのは避けてください。急激な温度変化でタンクやホースが割れることがあります。また、何も出てこないのにウォッシャーを何度も作動させようとするのも禁物です。ポンプに過大な負荷がかかり、モーターが焼き付く原因になります。

正しい解凍の手順

車を暖かい場所に移動させて自然解凍を待つのが、部品へのダメージが最も少ない方法です。屋内ガレージがあれば理想的で、なければ日当たりの良い場所に駐車して気温が上がるのを待ちます。急ぐ場合は、市販の解凍スプレーをノズル周辺に吹きかける方法があります。タンク本体の凍結は自然解凍以外に手がありません。

解凍後はタンク内の液を確認し、不凍成分が薄まっている可能性があるため寒冷地用に全量入れ替えることをおすすめします。凍結以外の原因でウォッシャーが出ない場合は「ウォッシャー液が出ない!10の原因と自分でできる対処法」を参考にしてください。

古いウォッシャー液の正しい捨て方

季節の切り替えや交換のタイミングで、タンク内の液を処分する必要が出てきます。

一般的な市販品であれば、少量ずつ大量の水で希釈しながら下水に流す方法が一般的です。ただし原液のまま大量に流すのは避けてください。エタノールやメタノールなどの成分が含まれており、下水処理に影響することがあります。製品によって成分が異なるため、パッケージの廃棄に関する記載を先に確認しておくと確実です。

大量の廃液が出る場合は、お住まいの自治体の環境担当窓口に処分方法を確認してください。整備工場など業務で大量に使う場合は、産業廃棄物のルールが適用されることがあります。

春の入れ替えについて

凍結の心配がなくなる4月以降を目安に、寒冷地用から一般用に戻すドライバーもいます。ただし寒冷地用をそのまま夏まで使い続けても品質上の問題はなく、切り替えは必須ではありません。えびすツールの受注データでも3月に入れ替え需要が見られますが、夏も寒冷地用を使い続けているユーザーも一定数います。

寒冷地用ウォッシャー液の選び方

住んでいる地域の最低気温より低い凍結温度のものを選ぶのが基本です。寒冷地用には-30℃・-40℃・-60℃対応など製品によって凍結温度が異なります。迷った場合は凍結温度が低めのものを選んでおけば余裕を持って対応できます。温暖な地域で寒冷地用を使っても性能上の問題はありません。

タイプ 凍結温度の目安 適した地域
一般用 -2℃前後 温暖な地域(関東以西の平野部など)
寒冷地用 製品により-30℃〜-60℃程度まで対応 東北・北海道・山間部・豪雪地帯


運送会社が寒冷地用を標準使用する理由

複数台の車を保有する運送会社では、冬場は寒冷地用を標準として使用しているケースが多いです。凍結でウォッシャーが使えなくなると視界確保ができず、業務上の事故リスクに直結するからです。えびすツールでも、陸送会社や自動車関連の事業者が寒冷地用(20L)をまとめて購入しています。

個人でも寒い地域にお住まいであれば、20L入りを1箱備えておくとシーズン中の補充の手間がなく安心です。購入者から「凍結防止のために購入した」「車以外の水抜きにも使える」という声も届いています。


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この記事の執筆者 : 福塚鉄也(株式会社えびすツール 代表取締役)

福塚鉄也

株式会社えびすツール代表。整備消耗品・工具・ケミカル類の通販事業を運営し、整備工場・運送業者・建設業者・タクシー会社など、業務利用のお客様向けに商品を提供しています。日々の取引のなかでお取引先から寄せられるご相談・ご要望をもとに、現場で本当に必要とされる商品の選定・調達に取り組んでいます。

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